レース途中にこっそり車で...ウルトラマラソン・ランナー、12カ月の出場禁止処分
スコットランド出身の女性ランナーが、ウルトラマラソン大会で入賞。しかし後日、レース途中で車を使用したことが発覚し、英国陸上競技連盟(UKA)から12カ月の競技禁止処分が言い渡された。 【写真】ウルトラマラソン・レースに出場したベテランランナーが競技禁止処分に
追跡データから発覚「ありえない速さで完走」
始まりは、遡ること今年の4月。オーストラリア在住のジョアシア・ザクシェフスキさんは、今までにもさまざまな大会に出場した入賞歴の多いベテランランナーだ。彼女は、英国・マンチェスターからリバプールまでの50マイル(80km)ウルトラマラソン・レースに出場。見事に3位で完走し、メダルとトロフィーを受け取った。 しかし、彼女のレース追跡データを不審に抱いた運営が調査。すると、4.8km以上の距離を車で移動していたことが明らかになった。BBCによると、なんと追跡データでは、彼女が約1.6kmをわずか1分40秒で走っていたことを示していたという。
「不正するつもりはなかった」と主張をするも…
ことの経緯が明らかになると、ザクシェフスキさんは9月に、当時のレース一部で車に同乗したことを認め、受け取った賞を返却。UKAの懲罰委員会に提出された書簡の中で「車に乗って移動し、その後完走。ゴールラインを通過し、メダルとトロフィーを不適切に受け取りました」と述べた。しかし、その後のBBCの取材に対し「不正をするつもりも、レースの一部を車で完走した事実を隠すつもりもなかった」主張している。 BBCによると、ザクシェフスキさんはコースの40km地点あたりで道に迷い、足が痛くなったため、次のチェックポイントまで友人の運転する車に乗り込んだと語っている。そこで棄権することを関係者に伝えると、“ここでやめたら自分が嫌いになるよ "と言われたため、レースを完走することにしたという。また賞を受け取ったことについて、3位のトロフィーを受け取ったのは "大きな間違いであった”と話し、大会前夜にオーストラリアから到着した疲労と時差ボケの影響だと釈明した。 「写真を撮らずにメダルを返すべきだったのですが、(疲労と時差ボケで)体調が悪くぼーっとしていて、よく考えることができなかったのです」と語っている。