<虎に翼>直道「俺、寝られるかな。花江ちゃんが隣にいなくて」 轟、そして優三も それぞれの出征と別れの言葉
◇寅子の前で“僕の望み”を語った優三 最後は笑顔で「行ってきます!」
戦局が厳しくなる中、寅子が優三、娘の優未(ゆみ)と、戦争を乗り越えることを最優先にしようと心に決めた矢先、とうとう優三の元にも召集令状が届く。第40回(5月24日)でのことだった。
優三は、寅子と出かけ、残り少ない“二人きりの時間”を過ごそうとする。そこで寅子は、優三の優しさに付け込み結婚し、さらに甘えて子を産むが、結局は弁護士を辞めてしまい、すまない気持ちでいっぱいでいることを告白するが、そんな寅子の精いっぱいの“謝罪”に対して、優三が口にしたのは「はて?」だった。
優三は、寅子の口癖をまねることで、寅子を笑わすことに成功。「トラちゃんが僕にできることは謝ることじゃないよ。トラちゃんができるのは、トラちゃんの好きに生きることです。また弁護士をしてもいい、別の仕事を始めてもいい、優未のいいお母さんでいてもいい。僕の大好きな、あの何かに無我夢中になってるときのトラちゃんの顔をして、何かを頑張ってくれること。いや、やっぱり頑張らなくてもいい。トラちゃんが後悔せず、心から人生をやり切ってくれること。それが僕の望みです」と優しく語りかけるのだった。
寅子は「何で……そんなこと言うんですか。もう、そんな……もう帰ってこないみたいな……。もう会えないみたいなこと言わないでよ」と懇願すると、優三は笑いながら「ごめん、そんなつもりじゃなくて」と“言い訳”し、「うん……帰ってくるから。トラちゃんと優未の元に。必ず」と寅子を安心させた。
そして迎えた出征の日。うつむき加減の寅子を“変顔”で必死に笑わそうとする優三は「ありがとね、トラちゃん」と言って、戦地へと向かう。そんな優三を寅子は追いかけると、大きな声で呼び止めて全力の“変顔”を披露。優三も“お返し”をし、二人は泣き笑いの表情に。
最後は笑顔で「行ってきます!」と言って、再び歩き出す優三。その小さくなってく背中に、尾野真千子さんの「昭和19(1944)年。この年の冬には日本本土各地への爆撃が本格化。日本はいよいよ窮地へと追い込まれていくのでした」とのナレーションが被さり、同回は終了した。