SNS型詐欺被害、富山県内12億円超え 1~10月
●ロマンス、投資昨年の2倍 今年1~10月に富山県内で確認されたSNS(交流サイト)を悪用したロマンス詐欺と投資詐欺の被害総額が12億1508万円に上ることが18日、県警への取材で分かった。昨年1年間の国際ロマンス詐欺と投資詐欺の被害額(5億6633万円)の2倍超となっている。県警は「見ず知らずの相手の話を安易に信用しないでほしい」と警戒を呼び掛けた。 SNS型の詐欺は、著名人や投資専門家の偽広告をきっかけにSNSで投資に誘われる「投資詐欺」と、SNSを通して接触し、恋愛感情を抱かせた上で金銭をだまし取る「ロマンス詐欺」に分類される。 県警が今年、10月までに確認したSNS型の詐欺は158件(前年同期比67件増)で、被害総額は12億1508万円(6億6268万円増)となった。同時期の特殊詐欺は303件(95件増)、被害総額は6億1480万円(2億3960万円増)だった。 SNS型は、1件当たりの平均被害額が769万円と高額で、全国では1億円を超える被害が相次いでいる。県内でも10月に富山市の50代男性が投資家の村上世彰さんをかたるSNS上の広告をきっかけに投資詐欺の被害に遭い、過去最高となる3億7877万円をだまし取られた。 ●トクリュウ対策を強化 これらの詐欺事件には、SNSなどでつながる「匿名・流動型犯罪グループ(トクリュウ)」の関与が疑われる。県警は4月、部門横断の治安対策プロジェクトチームを発足させてトクリュウの実態解明や摘発に向け捜査を進めている。