Travis Japan・七五三掛龍也、夢は国立競技場ライブ「並大抵じゃない」9月の世界ツアーは“体”で戦う
Travis Japanの七五三掛龍也(しめかけ・りゅうや)の2週連続インタビュー後編。9月からアジアや米国などを巡るグループ初のワールドツアー「Travis Japan World Tour 2024 Road to A」への意気込みや、グループの現在地、“国民的アイドル”への夢を語った。 自ら事務所に履歴書を送り、この世界に入って15年。気づけば人生の半分以上をアイドルとして過ごしている。その情熱や意識は“個”よりもグループに向かっており、「世界中にすばらしいアーティストがたくさんいる中で、どうしたら自分たちが抜きんでることができるか」と思いを巡らせる。 昨年は所属事務所の社名変更など、追い風とは言えない状況もあった。伏し目がちに「不安もありましたね、正直。どうなるんだろうって」と短い言葉に葛藤をにじませる。アイドルとして「見せる」自分と、あえて「見せない」自分の線引きもある。口角をすぐに上げ、「同じくらいファンの皆さんも不安だったと思うから、あれ以上心配させたくなかったし、とにかく元気にパフォーマンスすることで安心を届けたい一心でした」。 グループとしての共通認識はより濃く、メンバーとの絆は強いものになった。 「去年、7人で話し合う機会があって。抱えている不安も共有した上で『自分たちがすべきことは何も変わらないな』と思えたんです。自分たちを信じてパフォーマンスをすることが、ファンの方たちと育ててきた場所や時間を守ることにも、グループの成長にもつながる。より一致団結できたし、やっぱりこの7人って心強いと思いましたね」 9月から、初のワールドツアーを行う。22年に約7か月間、メンバーと語学勉強やダンスレッスンなどの“武者修行”に明け暮れた米ロサンゼルスなど、世界6都市を巡演する。 「海外のライブは現地の言語をもっと勉強して向かうつもりですが、やっぱり文化の違いもあるので、“自分たちの体でどう魅(み)せるか”ってことがより重要になってくるかもしれない。だけど体だけで戦う感覚は、(米国留学中の)ダンス大会に出演させていただいていた時の経験があるからこそ『できるな』って。不安は全く無くて楽しみです」 取材中は決してこちらの話を遮ることをしない。穏やかに相づちを打つ姿が印象的だ。初対面でも親しい仲でも「とことん相手の話を聞いて向き合いたい」というスタンスは変わらない。 「メンバーとは海外でも日本でも密に時間を共有したからこそ、もちろんぶつかることもあって。だけど、僕はちゃんと話し合えることが大事だと思うし、それができるのが7人の強みでもあるんですよね。それぞれ好みも性格も考えも違うからこそすてきだし、それぞれが正解だと思う。認め合って味方でいたいです」 グループは個々でも活躍の場を広げている。松田元太が、バラエティー番組で披露する「Travis Japan」と発音のいい自己紹介や、“TJポーズ”はたびたび話題に。「元ちゃんが皆さんに笑ってもらえて、輝いてる姿を見るのもうれしいです。何よりテレビで必ずグループ名を言ってくれて、広めてくれているのを見るたび、すごく感謝しています」 世間からの認知度も高まる中で、飛躍の時を迎え、「やっぱりダンスのジャンルの幅広さはどこにも負けないつもり。7人ちゃんと個性もあって、一つにもなれる。Travis Japanって何にでもなれると思うんです」と“七変化”に自信をのぞかせる。 かなえたい夢がある。「国立競技場でのライブは大きな、大きな目標です。もちろん国民的アイドルじゃないと立てないですし、嵐さんもたくさんのことを成し遂げてたどり着いた場所。並大抵じゃない」と現時点では青写真だ。それでも「日本中のみなさんがパワーを貸してくれるような、愛されるグループになりたい」。まだ見ぬ景色に向けて、ひたむきに踊り、磨き、煌(きら)めき続ける。(ペン・奥津友希乃) ◆七五三掛 龍也(しめかけ・りゅうや)1995年6月23日、茨城県出身。29歳。2009年に入所。12年にTravis Japanのメンバーに選ばれ、22年に配信シングル「JUST DANCE!」で全世界メジャーデビュー。ミュージカル「ダブリンの鐘つきカビ人間」(~10日=東京国際フォーラム、20~29日=COOL JAPAN PARK OSAKA)に主演中。メンバーカラーはピンク。血液型AB。
報知新聞社