動物園のエコシステムを“探検” 札幌でアースデイ・イベント
【北海道・札幌】1970(昭和45)年4月にアメリカで誕生したアースデイ。これは「地球のことを考えて行動する日」として、環境問題により多くの関心を持ってもらおうとスタートしたものです。そのアースデイと10年にわたってコラボを続けているのが札幌市円山動物園(札幌市中央区)です。
「自分なりに地球環境を考える」が参加資格
円山動物園として10回目となるアースデイ・イベントは、21日(土)と22日(日)に開催。全32の個人・団体・企業が円山動物園のさまざまな場所で展示を行いました。 この展示に参加できる条件は「アースデイ円山動物園の趣旨・目的に同意できること」。「自分なりに地球環境を考える」というコンセプトで、すそ野を広く参加しやすいイベントとなっています。 体験展示では「森林の役割」「ごみ分別クイズ」「エコクラフト制作」など、販売展示では「地産地消のクッキー」「オーガニックドリンク」など、PR展示では「外来植物除去活動」「ジオパーク」などが紹介され、個人・団体・企業それぞれが考える環境保全についての展示を来場者が体験していました。
藁を堆肥に変える発酵装置や暖房システム
その中でも動物園ならではのイベントが「動物園の裏側探検」。これは、普段は立ち入り禁止の施設に入り、同動物園が取り組んでいるエコシステムを見学できるというもの。 見学できる施設は3つあります。まずは、「ペレットボイラ」という木っ端を使った暖房システム。このボイラを使うことで、二酸化炭素の排出量が重油を使ったときの3分の1になります。そして、動物の糞尿のついた藁を堆肥に変える「発酵装置」。このリサイクル堆肥は、動物園内の植栽に使用されています。最後は「雪冷熱」。冬の間に積もった雪を貯蔵しておき、高山館の冷房に使用しています。この雪、数年前は8月中旬のお盆まで残っていたものが近年は7月下旬になくなってしまうのだとか。これも、地球温暖化が進んでいるからなのかもしれません。 同動物園飼育展示課によると「動物を見て楽しいと思ってもらうのと同時に、地球環境について考えてもらう場になればという思いで10年間続けてきました。展示場所もできる限り出展者の希望を考慮しているので、アースデイの活動と動物園がコラボすることで相乗効果が生まれてきていると思います」と語ります。 このイベントの説明書きには「アースデイは、私たち一人ひとりのものなのです」という一節があります。この日をきっかけに、地球環境について出来ることを考えてみてはいかがでしょうか? (ライター・橋場了吾)