富士フイルム「X-T50」が魅せる新たな世界。フィルムシミュレーションダイヤルの効能とは
■“盛りすぎ感”は皆無。何気ないシーンに深みが増す「フィルムシミュレーション」を積極的に活用しよう
似たようなシチュエーションで、2種類のフィルムシミュレーションを試してみました。まったく同じ場面でも、フィルムシミュレーションによって違いが出ているのが見て取れると思います。 なお、設定で撮影効果が反映されるモードにしておけば、写りの違いをその場で確認できてより便利です。 個人的に気に入ったこともあり、フィルムシミュレーションの中で多用したのが「CLASSIC Neg.」です。人の肌色にはやや癖のある色味ですが、嫌な印象はありません。 グリーンに偏ったシャドウとマゼンタ寄りのハイライトが、硬めのコントラストと相まって印象的な仕上がりに。富士フイルムが説明している“エイジングの魔法”という言葉が、まさにぴったりです。 こちらも「CLASSIC Neg.」を使用した作例です。レトロ感のある少しアンバランスな色味の描写と、昭和を感じさせるウィンドウとの相性は抜群です。 こちらは、自然な色再現で幅広く活用できる「PROVIA」。つい個性的なフィルムシミュレーションに目が行きがちですが、スタンダードな「PROVIA」も非常に魅力的です。特に肌の色味や滑らかさは、「PROVIA」が一番良い印象を持ちました。 「REALA ACE」も汎用性の高いフィルムシミュレーションです。ナチュラルな色味が特徴で、やや持ち上がったシャドウと硬めのハイライトが相まって、スッキリとした印象を与えます。 動画に最適化されたルックの「ETERNA」。抑えられた彩度とコントラストは、状況によってはフラットになり過ぎることもありますが、淡く儚い雰囲気はまるで夢の中のよう。夏の終わりのとある一瞬を幻想的に切り取ってくれました。 モノクロで撮影するだけで、見慣れた日常がどこかドラマチックに。長年フィルムを作ってきた富士フイルムならではの、銀塩写真を思わせる豊かな階調性が特徴です。 X-T50には内蔵フラッシュが搭載されているため、手軽にフラッシュ撮影を楽しめます。硬いフラッシュの光とモノクロを組み合わせることで、モードな雰囲気を演出できます。