「難」を欲しがり…藤田ニコルは自分の価値を俯瞰して生き残り続ける
【今週グサッときた名言珍言】 「高校生の時に初めてテレビ出て、そこから1回も1個も見逃したことない」 (藤田ニコル/テレビ朝日系「イワクラと吉住の番組」5月21日放送) 北朝鮮・金正恩総書記の“プロパガンダMV”がTikTokで急拡散! 世界のZ世代に大ウケでグラミー賞も射程圏? ◇ ◇ ◇ いまやテレビで見ない日はないというほど活躍している藤田ニコル(26)。彼女が「エゴサーチ、週に何回する?」という質問に「∞」と答えて、語ったことが今週の言葉だ。「ファンの人の投稿ももちろん全部見てるし、嫌なやつも全部見てる。Yahoo!ニュースで2000件あっても、全部1個1個見てます。掲示板も見るし」と続け、共演者たちを驚かせた。 藤田はそうやって毎日エゴサし、「いいね」を押したり、リプライを送ったりもして、相手に驚かれることも少なくないという。そこには、自分が仕事を頑張れる原動力がファンだという思いがある。「たぶんファンの存在がなかったら、とっくにこの仕事やめてる」(講談社「ViVi ニコ論」2021年12月14日)と。 一方で、もちろんコメントは応援だけではなく、批判的なものや中傷も少なくない。実は本来、彼女はネガティブで心配性な性格。周りからは「考えすぎ」と言われることも多いという。だから、最初はアンチコメントに深く傷ついていた。思わず反論して炎上してしまったこともある。 そうした経験を経て「炎上の賞味期限は短い」(「ニコ論」22年3月7日)ことを学んだ。結果、悪口に対しても「いいね」を押すほど強くなった。「私、そういうの好きなんですよ。なんていうか、『難』が。人生に『難』がほしいんだよね」(CAM「新R25」20年7月8日)とまで言う。 彼女は仕事を受けるかどうか、どんな写真を使うかなどは全部、自分で決める(フジテレビ系「セブンルール」20年6月23日)。そこには、自分のことは、自分がよく分かっているという自負があるのだろう。 そんな彼女は「マネジャーから説教されてるタレントは売れない」(テレビ東京系「あちこちオードリー」22年7月6日)と言ってはばからない。収録前に「絶対、爪痕残してこいよ」、収録後に「なんで絡みにいかなかったんだ」などとマネジャーに言われているタレントを見ると、ただマネジャーが好きなタレントができあがるだけで、本人の個性ではないから売れない、と。 冒頭の番組ではエゴサーチで「今の自分の求められ度とかが、いい意味で分かるので。それが全部『ウソ』ではないなって。たぶんリアルな声も若干交じっている」と語っていた。日々そうやって「難」をいとわず視聴者の声に耳を傾け、俯瞰して自分の価値を見つめているからこそ、藤田ニコルは生き残り続けられるに違いない。 (てれびのスキマ 戸部田誠/ライタ―)