「風とロック芋煮会2024」開幕 10年ぶりの「原点」開成山熱く 8日まで催し多彩 福島県郡山市
音楽イベント「風とロック芋煮会2024 イモニーシンフォニー〝FURUSATO〟」は7日、福島県郡山市の開成山公園で開幕した。初開催から15年、市制施行100周年の節目に10年ぶりの郡山開催が実現。初日は「サンボマスター」やディーン・フジオカさん(須賀川市出身)ら人気アーティストが古里をテーマに熱演し、「原点の地」に集った約3千人の観衆と心を通わせた。8日まで。 トップバッターの4人組コミックバンド「四星球(スーシンチュウ)」は、観客を巻き込むパフォーマンスで場内を盛り上げた。東日本大震災と東京電力福島第1原発事故からの復興支援に熱心な面々はビッグパレットふくしまが避難所だった過去に触れ、「いつかあの場でワンマンライブをやり、笑顔であふれさせたい」と宣言した。 白河市出身のすぅ(吉田菫)さんがボーカルを務める「SILENT SIREN(サイレント・サイレン)」は昨年12月に2年間の休止期間を終え、2019年以来5年ぶりに出演した。すぅさんは「〝サイサイ〟として戻って来られて胸が熱くなった」と声援に感謝した。会津若松市出身の山口隆さんがボーカル・ギターを務める「サンボマスター」は力強い言葉を曲に乗せ、観客を鼓舞。山口さんは「コロナ、震災、戦争と悲しいことは続いているけど、おめぇらに未来はある」と訴えた。
風とロックは2009(平成21)年に「207万人の天才。風とロックFES福島」として開成山公園で始まり、音楽で県民を励まそうと県内各地で回数を重ねてきた。企画者で郡山市出身のクリエイティブディレクター箭内道彦さんはイベントと市の節目を飾る舞台に、同公園を選んだ。 観客も郡山での「再演」を待ちわびていた。埼玉県の大石友子さん(50)は10年前も観覧した。「次は郡山と聞いて、行かなきゃと思った」と声を弾ませた。イベントに通い続けるうちに県内の友人が増えたという。「福島は心の古里」とほほえんだ。初参加の郡山市、斉藤莉樹さん(17)=福島西高2年=は「身近な場所で大勢の人が楽しむ姿を見て、幸せな気持ちになった」と笑顔だった。 箭内さんは「テーマ通り素晴らしい歌声が重なり合い、笑顔があふれ、かけがえない空間だ。今日を故郷で迎えられ、ぐっとくる」と感慨を語った。「全国の人に、福島にこんなに楽しい日があると伝えたい思いは変わっていない」と力を込めた。
風とロック、福島民報社の主催。郡山市が市制施行100周年記念事業の一環として共催している。グリコの賛同、点天、福島日産自動車、JA福島さくら、花王の協力。8日は午前7時30分から会場で当日券を販売する。収益は能登半島地震など被災地の復興支援活動などに寄付する。