【ハイライト動画あり】早稲田大学、これぞエース!伊藤樹が10回完封で初戦突破に導く。全日本大学野球選手権 2回戦
エースの堂々たるマウンドさばきが響いたか、8回には先頭の田村康介(商3=東京・早大学院)が、この試合初めての長打となる右中間への2塁打を放つ。先制点を待ち望む球場のボルテージが一気に上がったが、尾瀬雄大(スポ3=東京・帝京)、山縣秀(商4=東京・早大学院)、吉納副将の上位打線が倒れてまたもや無得点に。
両校ともに決め手を欠く展開で、どちらに転ぶか分からない状況が続いた。少しのミスが命取りになる中で、試合の流れを手繰り寄せるプレーも生まれた。8回、大商大の攻撃で、遊撃手の左へのゴロに山縣が追いついて反転スローを見せるも、一塁手・田村がボールをこぼしてしまう。
嫌な走者を背負ったが、さらに盗塁を試みたところで印出太一主将(スポ4=中京大中京)が強肩を鳴らしてタッチアウト。そして再び9回、安打で出塁を許して送られた代走がスタートを切ってきたが、またしても印出主将の好送球でアウトに。チームを勇気づける主将のプレーに、場内も大歓声に包まれた。
数ある好機をつかみきれず、無得点で9回の攻撃を終えた両校。大会規定により、無死1・2塁からのタイブレーク制による延長戦に突入した。先攻の早大はできる限り多くの得点が欲しい状況。
途中出場の寺尾拳聖(人2=長野・佐久長聖)はバントの構えを見せたが、追い込まれてからバスターで合わせると、打球はワンバウンドで一塁手の頭上を越えて右前へ。無死満塁の好機となって迎えた打者は、守備から出場していた梅村。
鳴り響くコンバットマーチを耳にして振り抜いた打球は、右中間深くまで運ぶ飛球に。飛距離は十分、三塁走者の俊足・松江一輝(人3=神奈川・桐光学園)が悠々生還し、ついに早大が先制のホームを踏んだ。
一気に追加点までつかみたいところだったが、尾瀬の四球で再び満塁まで攻め立てたところまで。1点をリードして10回の裏に臨んだ。
マウンドには、初回から腕を振り続ける伊藤樹が続投。相手は犠打を試みたが、衰えを見せない球威に押されて連続ファウル。3球目が転がると、印出主将が処理して三塁封殺に。再三の好守でピンチを救った。