戸次重幸“堀口”の死に言葉を失った…”最終章”の為に仕込まれていた壮大な仕掛けとは?『GO HOME』第9話考察
堀口が隠していた真実
桜と真が、堀口の出生地である山形県南陽市に向かうと、そこには実の母親である啓子(朝加真由美)が変わらず暮らしていた。はじめは伊藤和宏について「知らない」と言い張るが、亡くなったことを明かすと重い口を開く。 啓子は、戸籍を変えて別人として生きていくことを悩んでいた和宏の背中を押したこと、実は亡くなる直前に手紙を受け取っていたことが明かすのだった。 手紙の中で堀口は戸籍を偽ったことに対する後悔の念を綴り、「伊藤和宏」に戻る決心を固めていた。それでも、家族や身元不明人相談室と過ごした日々に嘘はない。 「母さん、俺、今すっごい幸せなんだ」という言葉は、啓子はもちろん、堀口が桜や真に振り回されながらも懸命に働いていたことを知る私たちの心にも深く刺さり、涙を誘うのだった。
堀口への弔い合戦へ――。
身近な人間の死というのは想像を絶する辛さがある。「ぽっかりと心に穴が空いたような」というが、それすら優しい表現だ。 日々、仕事で向き合ってきた桜や真にとっても辛い別れであったことは間違いなく、そんな中で謎の究明に動くことができていたのはともに過ごしてきた仲間を信じていたからだろうか。思わず自分ならどうすることができただろうと、死者との向き合い方を改めて考えてしまう。 これまでと比べて謎が解けるすっきり感より、ずんと重い苦しさが残るが、それも最終章に入ってきたゆえ。物語はいよいよ最終話を残すのみとなり、堀口の死の原因を作った佐川との弔い合戦の様相を呈する。 これまで日常の事象を描いてきただけに、公安という大きな組織と戦うというストーリーはやや戸惑いを覚えるが、どのようなラストを迎えるかしっかりと見届けたい。 【著者プロフィール:まっつ】 1993年、東京生まれ東京育ち。本職はスポーツウェブメディアの編集者だが、エンタメ・お笑いライターとして修行中。1週間に20本以上のラジオを聴く、生粋の深夜ラジオ好き。今一番聴くべきラジオは『霜降り明星のオールナイトニッポン』。好きなドラマは『アンナチュラル』、『いちばんすきな花』、『アンメット』。
まっつ