今年の春から新卒社員です。私たちの世代は「年金だけで生活できない」老後が確定しているのでしょうか…。
若い人の中には将来の年金には何も期待していない、という人も多いでしょう。実際のところ、将来年金をいくらもらえるのかということは、現役時代の収入や年金制度によります。そのため、今の若者が将来年金だけで暮らせるかどうかについて、一概に言うことはできません。 そこで今回は、もしも平均的な収入で定年まで働き、現在と同じ額の年金を受給できたなら、老後は年金だけで暮らせるのか詳しく解説します。
年金は将来いくらもらえる?
まずは年収に関係なく加入期間によって受給額が決まる老齢基礎年金を見てみましょう。令和5年度における老齢基礎年金の満額は年79万5000円です。月あたり6万6250円になります。 この老齢基礎年金の満額は平成11年度までは年々増加していましたが、平成15年からは徐々に下がり始めています。平成27年度と令和2年度には少し上がったものの、それでもピークであった平成11~14年度には及びません。景気の状況などによっては、将来はより少なくなる可能性もあります。 また、現役時代に厚生年金に加入していた場合には、老後に老齢厚生年金を受給できます。老齢厚生年金は報酬比例部分と定額部分、加給年金額からなっており、その大部分は収入によって金額が決まる報酬比例部分です。報酬比例部分の計算式は、平成15年4月以降の加入期間の場合「平均標準報酬額×5.481÷1000×加入月数」です。 仮に、23歳から65歳までの43年間、令和4年度の日本人男性の平均年収である563万円の収入を得ていたとしましょう。その場合、ボーナスなどがないと仮定すると月収は約47万円となり、平均標準報酬月額も等級26の47万円です。 ということは、計算式に当てはめると「47万円×5.481÷1000×43年×12ヶ月」となり、報酬比例部分額はおよそ132万9252円、月あたり11万771円になります。先述した老齢基礎年金の満額と合わせると、約17万7000円が老後の年金収入になります。