【宝塚記念・レース回顧】6着ドウデュースに何があったのか? 道悪の巧拙がモロに出た分かりやすい決着
[GⅠ宝塚記念=2024年6月23日(日曜)3歳上、京都競馬場・芝外2200メートル] 【渡辺薫&柏木集保 私たちはこう見た】 渡辺 終わってみれば分かりやすい決着と言えるんじゃないか。道悪が苦手な馬が人気になっていて、道悪の得意な馬が上位に来た。それだけのことだ。 柏木 確かに。馬場が結果に大きく影響したレースでした。どうやって乗るかをどのジョッキーも考えた難しい馬場だったと思うのですが、上位2頭の馬は後方待機から直線は大外に。悪化した馬場を歓迎した乗り方をしていましたね。 渡辺 勝ったブローザホーンは現在の充実ぶりに道悪がかみ合っての勝利。しかし、本当に道悪は上手だな。420キロくらいの馬でここまで成長するのも珍しい。 柏木 ブローザホーンもそうですが、僕は位置を下げて後方待機策に徹したソールオリエンスの横山武騎手、彼の騎乗を誉めてあげたいですね。負けてしまったけど、持ち味を生かした好騎乗だったと思います。 渡辺 柏木君の言う通りだな。馬場が向いたのは確かだけど、この馬はしまい勝負の方がいいよ。皐月賞馬のプライドを見せてくれた。 柏木 3着のベラジオオペラも道悪が上手であることを再認識しました。あそこでレースを進めていれば、仕掛けて出ていくのは当然のこと。負けてしまいましたけど、強い内容でした。 渡辺 同感。位置を取りにいって、最後まで頑張っていたからな。GⅠ馬らしい走りをしてくれたと思う。4着のプラダリアは良くも悪くもキャラ通りの結果だったな。で、道悪も上手。 柏木 ドウデュースとジャスティンパレスに関してはどうですか? 渡辺 ジャスティンパレスは見たままでいいだろう。全くの無反応だったし、いいところがまるでなかった。もう少し距離が欲しいのも確かだけど、道悪がダメだな。 柏木 勝ったブローザホーン、2着のソールオリエンスの上がり3ハロンは34秒0。この馬場でこの数字は優秀なのですが、この次はドウデュースの34秒6なんですよね。上位2頭と同じような位置で進め、直線入り口での手応えも残っていたように見えました。他の2頭と違い、どうして直線で内に行ったのでしょうか。 渡辺 苦しいから内に行ったんじゃないか。気性面も含めて道悪が合わないような気がするよ。とにかく、ドウデュースは強い時と弱い時の差が大き過ぎる。信頼しにくいね。 柏木 渡辺さんが最初に言っていたことですが、道悪の影響が非常に強い競馬となりました。このレースは特別な一戦と考えていいかもしれませんね。
東スポ競馬編集部