ASML、1-3月受注が予想下回る-最先端装置の需要低迷
(ブルームバーグ): オランダの半導体製造装置メーカー、ASMLホールディングは17日、1-3月(第1四半期)の新規受注がアナリスト予想を下回ったことを明らかにした。最先端装置への半導体メーカーからの需要が後退した。
発表によると、1-3月の受注は36億ユーロ(約5900億円)。ブルームバーグが調査したアナリストの予想平均は46億3000万ユーロだった。昨年10-12月(第4四半期)の受注は91億9000万ユーロと過去最高を記録していた。
同社の株価は17日のアムステルダム市場で一時6.4%安となった。
ASMLは、スマートフォンや高度な軍事機器などあらゆる装置や製品を動かす最先端の半導体を製造するのに必要な装置の世界唯一のメーカーだ。
同社の最上位機種である極端紫外線(EUV)露光装置の需要が低迷し、1-3月の受注額は6億5600万ユーロと、前四半期の56億ユーロから急減した。
同社は、需要が回復に向かう前の4-6月(第2四半期)の売り上げが予想(65億ユーロ)を下回るとみている。4-6月の売上高は57億-62億ユーロを見込む。
ピーター・ウェンニンク最高経営責任者(CEO)は発表資料で、「2024年通期の見通しは変更しない。業界が不振から回復を続けていることに伴い、下期(7-12月)は上期(1-6月)よりも好調に推移すると見込んでいる。24年を移行の年とみている」とし、ロジャー・ダッセン最高財務責任者(CFO)も「業界が好転していることは明らかだと思う。24年には業界の回復が見られ、25年はより好調な年になるよう準備を進めている」と説明した。
今年1-3月は台湾と米国からの需要が低下したものの、中国での売上高は19億ユーロ(前四半期は22億ユーロ)と比較的持ちこたえた。
今年1月1日に完全施行された新たな措置により、ASMLは同社の装置の中で2番目に高性能なカテゴリーである液浸深紫外線(DUV)露光装置を中国に販売することが制限される。