明大、SPサイン炸裂で関西王者・天理大を粉砕 重戦車軍団の全4トライで4強入り/大学選手権
ラグビー全国大学選手権準々決勝(22日、鈴鹿)準々決勝2試合が行われ、前回準優勝の明大(関東対抗戦3位)は天理大(関西1位)に24-21で勝利。前半20分に、天理大対策で用意したモールで先制トライを奪うなど、この日の4トライ全てをFW陣で取り、重戦車軍団の本領を発揮した。京産大(関西2位)は大東大(関東リーグ戦1位)に59―12で大勝。来年1月2日の準決勝(国立競技場)で明大は4連覇を狙う帝京大(関東対抗戦2位)、京産大は早大(同1位)と対戦する。 凍える寒さの鈴鹿に集まったラグビーファンを、明大の重戦車軍団が熱く沸かせた。前半20分に、FL福田大晟(4年)が先制トライ。「あのトライで、試合の流れが結構変わったと思う。いいサインプレーだった」とLO田島貫太郎(4年)はうなずいた。 実は、関西王者の天理大対策として仕込んでいた〝スペシャルプレー〟だった。相手のモールの組み方をそっくりそのまま、まねするという狙いが見事に的中した。敵陣深くのラインアウトで、LO田島がボールを獲得。そのままモールを組むと見せかけて、内側にいたFL最上太尊(3年)にパス。その最上を中心としてモールを組み、相手の防御が薄くなったところを、一気に押し切った。 天理大とは今夏の菅平での練習試合で対戦。自軍のラインアウトモールにミスが出て、28-29で逆転負けを喫していた。全国の舞台で訪れた雪辱の機会に向け、選手、スタッフが一丸となった。南雲憲太朗さん(4年)を中心とする学生アナリストが、天理大のラインアウトの映像を集めてメンバーに共有。FWを担当する杉本晃一アシスタントコーチの助言もあり、「徹底して研究した」と田島。繰り返し練習して精度を上げ、敵の戦術も力にした。 1日の関東対抗戦・早大戦での脳振盪(しんとう)により、14日の3回戦・東海大戦を欠場した主将のNO・8木戸大士郎と副将のCTB秋浜悠太の4年生2人が先発復帰。木戸は激しいタックルを何度も見舞い、後半20分には追加点のトライ。全4トライを挙げたFW陣の核としてチームを引っ張った。主将は「80分間、絶対にタイトな試合になると分かっていた。自分たちの武器を出していきたかった」と胸を張った。 来年1月2日の準決勝の相手は、3連覇中の帝京大。明大は前回の決勝で15-34で敗れ、今秋の関東対抗戦も28-48で屈した。「リベンジしたい」と木戸は視線を鋭くした。明大フィフティーンが、新年の国立競技場でも躍動する。(児嶋基)