門倉有希さん死去 波乱人生 恋人から監禁で“失踪”ヒット曲「ノラ」ハスキーボイスで魅了
歌手の門倉有希(かどくら・ゆき)さんが今月6日に乳がんのため死去したことが分かった。50歳。福島県出身。7日に公式サイトを通じ、ファンへ伝えた。独特のハスキーボイスで人々を魅了した門倉さんは、波乱の人生だった。 【写真】99年、取材のためスポーツニッポン新聞社本社を訪問した門倉有希さん 1994年、「鴎…カモメ」でデビュー。しかし、同年に突然“失踪”。「男と失踪、引退」などと週刊誌に書き立てられた。 その“失踪”の経緯について門倉さんは、2016年放送のTBS系「爆報!THEフライデー」でデビュー前から交際していた恋人からの「監禁」「洗脳」があったと明かしていた。恋人は束縛を強め、次第に暴力へと発展。歌謡イベントに出演する日には「仕事には行くな、行くなら殺してやる」と包丁を振りかざしたという。門倉さんは男の不在時を狙ってマンションから逃走した。 その後は、週刊誌などのバッシングで芸能界から追われ、拒食症に苦しむ日々。その時心の支えとなったのは、以前は捨てられていたという愛猫リボンだった。「泣いていると涙をなめてくれたり…親友のような存在でした」と振り返っていた。 96年にNHK新人歌謡コンテストで「女の漁歌」を歌い、グランプリを受賞。その年に「第47回NHK紅白歌合戦」に初出場した。98年に発表された「ノラ」の売上は80万枚を超え、現在もカラオケランキングの上位をキープするロングヒットとなっている。 独特のハスキーボイスで人気を集めた。波乱万丈の人生を歩んだ門倉さんの切なくも力強い歌声は、多くの人の胸に響いている。