津波で免許証紛失相次ぐ 再発行の臨時窓口設置へ
能登半島地震では、着の身着のまま逃げた後、津波や建物の倒壊で運転免許証を紛失する人が相次いだ。身分証なしでも特例で再発行されるが、手続きできるのは金沢市のみ。半島北部「奥能登」から遠く、申請に行こうにも「免許不携帯」になり運転できないとの住民の声を受け、石川県警は22日以降、奥能登にも順次臨時窓口を設置することを決めた。 「身分証が入った財布が見当たらない」。津波で家を失った石川県能登町の60代女性が途方に暮れていた。震度7を観測し、東日本大震災以来の大津波警報が発表された能登半島では持ち物の確認もできないまま避難した人が多くいた。 女性は珠洲市の実家に津波被害の様子を確認しに行きたいが、免許証がなくなり「運転できないし、こんな状況で誰かに乗せてとも気軽に頼めない」と漏らす。地震発生から2週間が過ぎ、薬や日用品を買いに行く回数も増え、周囲には「不携帯」で警察に摘発されても構わないと運転している人もいるという。
県警は珠洲や輪島、能登、穴水のほか、七尾と羽咋の計6市町に臨時窓口を設置した。