「48年前に…」J・フォックス、S・タイラーらセレブは戦々恐々…時効撤廃で「性加害提訴」が続々
俳優でシンガーソングライターのジェイミー・フォックスが’15年の性的暴行疑惑で提訴されたのをはじめ、米ロックバンド『ガンズ・アンド・ローゼズ』のアクセル・ローズ、ラッパーのショーン・コムズ。さらには『エアロスミス』のスティーヴン・タイラーらが本来なら時効が成立している’70年代などの過去の性的暴行疑惑で相次いで訴えられ損害賠償を求められる異例の事態がニューヨークで起きている。 【まぶしい…写真あり】ナタリー・ポートマンは紺のビキニで…海外セレブ美女「大胆な水着でバカンス」最新写真 オスカー俳優のジェイミー・フォックスのケースは’15年にニューヨークのレストランでの女性に対する性的加害疑惑で、TMZが報じている。 訴状よると、同年8月、NYのレストランで、フォックスから1つ離れたテーブルに座っていた原告の女性とその友人の一人が、フォックスに写真撮影を求めたのが発端だった。 写真撮影に応じたフォックスは、酔っていた様子で女性に 「スーパーモデルのような体」 「とてもいい匂いがする」 と言い、屋上の奥のエリアまで彼女の腕を引っ張り連れ込んで、トップスの下に手を入れて胸を揉み、さらには女性のパンツに手を入れたと原告女性は主張している。 女性は、フォックスの「性的暴行、虐待、暴行、暴力」により治療を受けなければならず、精神的苦痛を被ったと主張し、補償的損害賠償と懲罰的損害賠償を求めてフォックスとレストランを訴えた。 店で暴行を目撃した警備員を含む数人がいて、彼女がフォックスから逃げようとするのを見たにもかかわらず、止めることもなくその場を立ち去ったと主張。フォックスの広報担当は 「疑惑の事件は起こっていません」 と疑惑を全面否定。女性の申し立てが却下されたら、反訴する構えで、裁判のなりゆきが注目されている。 そして米ロックバンド、『ガンズ・アンド・ローゼズ』のフロントマン、アクセル・ローズは、元モデルの女性から34年前の性的暴行疑惑で損害賠償を求めて訴えられた。 現在61歳である元モデルのシーラ・ケネディさんは’89年2月、マンハッタンのホテルの一室でローズから暴力的に襲いかかられて、アナルレイプされたと主張して11月22日、ニューヨーク州最高裁判所に提訴した。米紙ニューヨーク・ポスト(電子版)が報じた。 訴状によると、米誌『ペントハウス』の “ペット・オブ・ザ・イヤー “に選ばれたことがあるケネディさんは、ガンズ・アンド・ローゼズのファンの友人とNYのクラブに招待され、クラブでローズに会った後、ローズが宿泊していたセントラル・パーク・ウエストのホテルの部屋に連れていかれたという。 ローズはケネディさんの両手をパンティストッキングで後ろ手に縛り、同意なしに彼女の肛門をレイプしたと主張。ローズが 「自分の性的快楽のためだけに使われる所有物のように扱った」 といい、 「生涯にわたる感情的、肉体的、心理的、経済的な影響が残った」 と主張して損害賠償を求めている。ローズの代理人弁護士は 「ローズ氏は原告と会ったことも話したこともないし、今日までこの架空の申し立てについて聞いたこともない」 と疑惑を全面否定している。 さらに、スティーヴン・タイラーは48年前の性加害疑惑で訴えられた。 ジャンヌ・ベリノさんは’75年の夏に17歳のモデルとして働いていたときにNYでタイラーから性的暴行を受けたと主張して11月2日に提訴した。Page Sixが報じている。 27歳だったタイラーは突然ベリノさんの手を掴み、彼女を電話ボックスに押し込んだという。その後、 「彼女の喉に自身の舌を突っ込み」 「彼女の体、胸、お尻、性器をさわり、服を脱がしたりして、電話ボックスの壁に彼女を押し付けた」 とペリノさんは主張している。 タイラーは昨年12月に別の女性から’73年にまだ16歳のときにタイラーと性的関係を持ち、タイラーが彼女に中絶を強要したと主張して性的暴行被害の訴訟を起こされている。今回の提訴は2人目だ。 タイラーは彼女の告発を否定し、原告は2人の性的関係に同意していたなどと主張している。 ここにきてなぜ、48年も前の事件を提訴することができたのか――。 これは時効が経過した性犯罪の被害者が民事訴訟を起こすことを認めるニューヨーク州のアダルト・サバイバーズ(ASA)法で提訴が可能になったためだ。 「ASA法とは、昨年5月に制定されたニューヨーク州の法律で、時効が経過した性犯罪の被害者が、’22年11月24日から’23年11月24日までの1年間、民事訴訟を提起できるように州法を改正したものです」(法曹関係者) NY州では性犯罪の時効は重罪が6年、軽罪で2年とされている。このASAに基づいて’23年5月までに、約130件の民事訴訟が提起されたという。 日本では、故ジャニー喜多川氏の性加害のように、同氏の生存中は言い出せなかった被害者も多くいたといわれ、英BBCの報道をきっかけに、同氏の死後元ジャニーズJr.たちが声を上げた。 そうした事情を考えると、男女を問わず同様の性被害を根絶するためにも、日本でもNY州のASA法のような法律を制定して過去の性被害を洗い直すことを検討してもいいのではないだろうか――。 文:阪本 良(ライター、元『東京スポーツ新聞社』文化社会部部長) Webマガジン『PlusαToday』を始め、芸能、映画、ハリウッド情報などの記事を執筆。日本映画ペンクラブ会員
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