業績好調の「ニューバランス」が心斎橋に出店 西日本最大規模
ニューバランスジャパンが9月27日、大阪・心斎橋筋商店街に西日本最大規模となるニューバランス心斎橋店をオープンした。 【画像】大谷翔平のシグニチャー商品群
地下1階から地上3階までの4フロア構成で、地下1階はゴルフ、地上1階はランニング、2階はライフスタイル、3階はメイドインUSA&UKの商品を揃える。店舗面積は975平方メートルで、商品構成はシューズが190SKU、アパレルが215SKU、アクセサリーが146SKU(うちゴルフが50SKU)となる。ニューバランスの店舗数はこの心斎橋店が国内53店舗目。 西日本最大規模の店舗ということで、いくつもの見どころがあるが、まとまったゴルフウェア&シューズの売り場となる地下1階のゴルフ売り場は国内で唯一。ゴルフウェアはすべてTSIホールディングスのグループ会社であるTSIグルーヴ&スポーツがライセンス生産した商品を並べている。また、地上1階では現在、大リーグで活躍中の大谷翔平選手のシグニチヤーモデルのウェア、靴をコーナーに集積。2階のライフスタイル売り場には、スポーツウェアの機能性を取り入れた都会の日常着「MET24(メットトゥエンティフォー)」をコーナー展開している。 販売では、対話重視の接客を打ち出しており、店舗内の商品集積量を通常の6掛け程度に減らし、各フロアの中心部分はあえて什器を置かずに、ベンチにも活用できるコミュニティサークルという円状の空間を設け、その傍らに足の大きさや形を計測できる3Dスキャナーも設置している。 ニューバランスジャパン営業リテール部の中塚博シニアマネージャーは、ニューバランスの店舗戦略について「今回の心斎橋店が国内53店舗目だが、あと20店舗を出店して2028年には国内73店舗体制としたい。73店舗体制が完成したら、そこからさらに店舗数を増やすのではなく、当面は73店舗各店舗の強化・拡充に努める」と構想を明かした。 心斎橋店の顧客ターゲットについては「全国有数の大都市である大阪の地元顧客を獲得するのはもちろんだが、インバウンド人気の高い土地でもあるので、顧客数の6割はインバウンド客が占めるのではないかと考えている」という。一方、近隣の四ツ橋筋には97年からニューバランスの直営店舗があったが、現在は閉店して改装中であり、これについては「今年12月に新たな『グレイコンセプト店』としてリニューアルオープンさせる」計画だ。 ニューバランスの店舗は、現在のところ、アウトレット、グレイコンセプト、アンコモンコモンという3つのカテゴリーに分けられており、今回オープンした心斎橋店は対話接客重視のアンコモンコモンで、このタイプは心斎橋店が国内5店舗目。グレイコンセプトは高感度、キレイ目がコンセプトの新型店で、四ツ橋店は大阪1号店としてリニューアルオープンする。グレイコンセプト店は今後は路面店だけではなく駅ビルへのテナント出店も目指す。 ニューバランスジャパンは、売上高が2022年度、2023年度と2年連続で過去最高を更新し、2024年度も2桁の伸びで、3期連続で過去最高を記録する見込みだ。この好調について、中塚シニアマネージャーは「アパレル強化、アスレ強化がその一因ではあるが、当社が15~29歳の若い消費者をターゲットとした商品開発を強化したことも実を結んでいる」と説明する。現在のところニューバランスブランドの売上高構成は卸売りが7割、直販が3割だが、これを「2028年には卸売り6割、直販4割にしたい。そのためには直販の強化に取り組む」と目標を掲げている。 南 充浩 ファッションライター 繊維業界新聞記者としてジーンズ業界を、紡績、産地、アパレルメーカー、小売店と川上から川下までを担当。 同時にレディースアパレル、子供服、生地商も兼務した。退職後、量販店アパレル広報、雑誌編集を経験し、雑貨総合展示会の運営に携わる。その後、ファッション専門学校広報を経て独立。 現在、記者・ライターのほか、広報代行業、広報アドバイザーを請け負う。