『ガンダムSEED FREEDOM』新MSのマントに「ウマ娘」の影響 トップガン、ウルトラセブンも参考に
また、エフェクトを担当していた20代の若手が、重田に触発されて「僕もアニメーションをやってみたいです」と志願し、デスティニーガンダムSpecIIの出撃から戦艦を壊すところまでの一連のアニメーションを初めて手掛けたところ、それが驚くべきクオリティーだった、という貴重な裏話も。続けて、若手スタッフがベテランスタッフから多くのものを吸収し、成長していったエピソードなどが飛び出す。会場からは、改めてスタッフに向けた感謝の拍手が起こったが、それを受けた藤田は「本当にいろんなところでいろんなネタを仕込んでいるんですが、情報量がありすぎて。劇場初見だと分かりにくいところもあったかと思うので、ぜひBlu-rayが出たらよく観てみてください」と呼びかけた。
また、客席から「ジェネレーションギャップは感じた?」という質問も。もともと福田監督からの指示としては、特定の作品を指定することが多く、『トップガン マーヴェリック』をはじめ、『スター・ウォーズ』「宇宙戦艦ヤマト」「マイティジャック」「ウルトラセブン」「帰ってきたウルトラマン」のようにとキーワードで例えられることが多かったという。「ただ、やはり若い子は『マイティジャック』とか『帰ってきたウルトラマン』の煙の感じとか言われても分からないですよね。だから分からない子は、改めて本編を観て監督の好みを探るようにしていました」と藤田も指摘する。 だが、その一方で新しいものを貪欲に吸収する姿勢も感じたという。「『トップガン マーヴェリック』とか、マンガでも最新のなろう系とか、異世界転生ものとか、監督は最新のものもしっかりとご覧になっているんです。ある時、ブラックナイトスコードルドラのビームマントってどんなイメージですかと聞いたら、『ウマ娘』のトウカイテイオーだと言われて。トウカイテイオーなんて作品あったかなと思っていたら、『ちがう「ウマ娘」だよ!』と言われて。監督に『ウマ娘』やってるんですか! と言ったこともありましたね」と明かし、会場はドッと沸いた。
スタッフトークの好評を受けて、4月19日には福田監督が登壇するティーチイン上映会が決定。さらに、4月23日にはメカニカルアニメーションディレクターの重田をゲストに迎えたスタッフトークが行われる。(取材・文:壬生智裕)