ひとシネマ執筆陣が選んだ〝2024年上半期の5本〟:洋画興行に明るい兆し SYO
2024年も半分が過ぎ、1年の折り返し点でちょっと立ち止まって、今年の秀作、話題作をおさらい。上半期に映画館や配信で公開された多くの作品の中から、ひとシネマ執筆陣がお勧めの5本を選んだ。 【写真】「ボーはおそれている」アリ・アスター監督インタビュー「想像力を駆使して、自分の精神を深く正直に探求してアイデアを見つけるんだ」 ・「ボーはおそれている」(アリ・アスター監督) ・「オッペンハイマー」(クリストファー・ノーラン監督) ・「パスト ライブス/再会」(セリーヌ・ソン監督) ・「関心領域」(ジョナサン・グレイザー監督) ・「マッドマックス:フュリオサ」(ジョージ・ミラー監督)
色あせない〝何か〟が残る
例によってオフィシャルライターで参加している作品があるため、日本映画に関しては省きました。しかし、海外の作品だけでも5本に絞ることは困難なほど充実した半年間だったと思います。鑑賞後に強烈な〝何か〟が残り、かつ時間を経ても色あせなかったものを中心に選出しましたが、他にも「哀れなるものたち」「落下の解剖学」「インフィニティ・プール」「システム・クラッシャー」「ありふれた教室」「バティモン5望まれざる者」「HOW TO BLOW UP」等々、非常に豊作でした。 全体的な感覚としては、個人的な趣味嗜好(しこう)にもハマる「他者との価値観や人間性のズレを物語に落とし込んだ」作品が多かった印象です。また、洋画興行の苦戦が常態化しているなか「関心領域」「マッドマックス:フュリオサ」のヒットは明るい材料となり、関連した記事も多く読んでいただけたことで希望を感じられました。引き続き、映画系メディアの在り方を考えながら、テキストの可能性を信じて邁進(まいしん)してゆきたいと考えています。
映画ライター SYO