“ジャンボタニシ農法”SNSで「バイオテロ」と大炎上も…農水省が明かす「規制しない理由」
規制しても「広がりを抑えられない」
ではなぜ、ジャンボタニシの放飼・移動などが規制の対象となっていないのだろうか。前出の担当者は「農業被害を抑えることを考えると、規制する意味はないと思っている」としてコメントを続ける。 「農水省では外来のものであるかどうかに関わらず、病害虫の対策を行っていますが、ジャンボタニシは農薬を使用するなどきちんと防除対策を行えば被害を抑えられる病害虫であるといえます。 ジャンボタニシはすでに全国で広くまん延していますが、その原因は地球温暖化の影響など、自然によるものです。たしかに、ジャンボタニシを除草目的で使用する方は昭和の初めからたまにいらっしゃいましたが、これが原因で広がったわけではありません。 特定外来生物に指定されると、飼育や移動が禁止されることになりますが、ジャンボタニシの場合それをしたところで、現在のような広がりを抑えることには繋がりません。 一方、特定外来生物に指定されているブラックバスの場合、人の手で池などに持ち込まれることで広がってしまうことから、飼育や移動を禁止することで増加を抑える効果が期待できます。 将来的に特定外来生物に指定される可能性はあるかもしれませんが、農業被害を抑えるという観点では特段規制の意味はないと考えています」(農水省・担当者) 稲などを食べ水田に被害を与えているジャンボタニシ。防除対策を行うことで被害を抑えられることや、特定外来生物に指定しても増加を抑える効果が期待できないことなどから、罰則・規制こそ見送られているが、誤った情報をもとにわざわざ水田に害虫を放ち“2次被害”を生み出すことは避けるべきだろう。
弁護士JP編集部