バイナンスがブラジル規制当局に約2.6億円支払い和解、無認可デリバティブ取引提供に関する調査終了へ
無認可でデリバティブ提供したとして罰金課されていた
大手暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンス(Binance)が、ブラジル証券取引委員会(CVM)に和解金960万レアル(約2.6億円)を支払うことに合意した。CVMが8月14日発表した。 CVMは2020年7月、バイナンスにブラジルでのデリバティブ取引サービスの提供を停止するよう命令。デリバティブ契約は証券であり、バイナンスはブラジルで証券仲介業者として活動する「認可を保有していない」とCVMは述べていた。 またCVMは2023年8月、バイナンスからの200万レアル(約5400万円)の和解案を拒否していた。 暗号資産メディアのザ・ブロック(The Block)によれば、バイナンスはブラジルではデリバティブ取引サービスを提供しておらず、また提供することも許可されていないと同社広報担当者が述べたという。また、2020年に規制当局から連絡があってからというもの、バイナンスは当局に対応しており、現地の要件を遵守するためにのあらゆる措置を取ってきたと広報担当者は強調している。 今年6月に全世界でのユーザーが2億人を突破したバイナンスは、複数の国で規制上の問題に直面している。しかし、昨今は規制を遵守するアプローチもみられる。 バイナンスは昨年12月に現地規制違反を理由にインド国内での営業を禁止され、一時撤退。しかし今年5月に同国での営業再開を目指し、インドの金融情報機関(FIU)に登録を行っていた。なお今年8月にはインドの物品サービス税情報総局(Directorate General of GST Intelligence:DGGI)より、72.2億ルピー(約126億円)の物品サービス税(GST)の支払いを求める略式命令を受けている。なおその後バイナンスは、インド金融情報機関(FIU-IND)への登録完了を8月15日に発表している。 またバイナンスはナイジェリアでも脱税に関する容疑で法廷闘争に巻き込まれている。 バイナンスの幹部2名はナイジェリアに到着した際に同国でのバイナンスの活動に関する犯罪捜査に関連して拘束された。なお幹部のティグラン・ガンバリヤン(Tigran Gambaryan)氏は今もなおナイジェリアの刑務所に収監中だ。
髙橋知里(幻冬舎 あたらしい経済)