「メールと電話、どっちが丁寧?」知らないと嫌われる“最適解”の中身
どんなに仕事で成果を出しても、周りから「評価」されなければ無意味である……あなたも、自分より能力が低い人がなぜか上司から高く評価されていて、イラッとした経験があるはず。ではこのような「なぜか評価される人」の“戦略”を、あなたは知っているだろうか。新刊『雑用は上司の隣でやりなさい』は「周りに実力を“評価させる”戦略」を初めて言語化した歴史的な一冊だ。職場で「実力を適切にアピールする「見せ方」の技術」をまとめた本書は、発売直後から賛否両論を巻き起こし、「こんな本が30年前に欲しかった」「人間の深層心理を突いている」「上司サイドにも対策が必要」などと話題沸騰中である。今回はその中から「出世する人の共通点」についてお伝えする。 ● メールと電話、どっちが丁寧? あなたは「メールでお願いをする」ことと「電話でお願いをする」ことはどっちが丁寧だと思いますか。 僕が勤めるメガバンクでは、電話の方が丁寧派の方が圧倒的に多いです。「それ、メールで良くないですか?」という内容でも電話で連絡してきますし、電話に出れない場合はメールに切り替えずにわざわざ時間を置いて改めて電話をしてくるほどです。 しかし、受ける側からすると、忙しい時にはメールで依頼してほしいという人も多いのではないかと思います。 実は、このメールか電話どちらがいいのか論争には歴史があって、その時代背景によって同じ会社の人でも感じ方が違います。この感じ方の違いを意識していないと、思わぬ「サイレント減点」に出会ってしまうことがあります。 今回は「メール派」と「電話派」どちらに従うべきなのかを考えていきたいと思います。
● メール派・電話派…双方に言い分がある まずは「メール派」の考え方に触れてみましょう。 彼らは、「メールであればいつでも見れるから相手の時間を奪わない」という視点を持っています。逆に言うと、自分が仕事に集中しているときは電話で邪魔をしてほしくないという思いが伝わってきます。つまり、メールの方が丁寧派の人たちは、自分の仕事のペースを乱されることを極端に嫌う性質の人たちであることがわかります。 次に「電話派」の考え方に触れてみます。 彼らは、「メールで送った場合、相手が気づかないかも知れない」という視点を持っています。逆に言うと、自分の依頼事項はなるべく早く相手に認知してもらいたいという思いが伝わってきますね。つまり、電話の方が丁寧派の人たちは、何が何でも自分の依頼事項は先方に早めに伝えたいという性質の人たちであることがわかります。 これらを読んで分かるように「メール派」と「電話派」にはそれぞれの言い分があるのです。 ● 「謎文化」には柔軟に対処しよう では、どちらにするのが良いのでしょうか。 先ほどのそれぞれの言い分を見てもわかると思いますが、「絶対の正解」は存在しません。ここでは、僕が書籍で述べている「謎文化」への対応を使うのが現実的な最適解です。 詳しく説明していきます。「謎文化」というのは、「その職場では当然のマナーとされているけれど、社会では一般的ではない慣習やルール」のことです。みなさんの職場にも、不思議な文化があるのではないでしょうか。こういった文化の恐ろしい特徴は、入社当時は「なんか変」と感じていたとしても、時がすぎると慣れて「ふつうのこと」になり、最終的には「そうして当然」と暗黙のマナー化するということです。 こういった「謎文化」に逆らってしまうと、あなたは悪いと思っていないのに周りの人がこっそり評価を下げる「サイレント減点」が起きてしまいます。こんな意味のわからない減点、されたくないですよね。 対策のために、初めて仕事をする人と会った時に、あなたのお客さんやあなたを評価する上司が「何を重視している」のかをしっかりと見極めるようにしましょう。こうした「謎文化」をつかめば、逆に柔軟に利用して「丁寧なヤツだ」と思われる確率を上げることもできます。やっておいて損はありません。 (本記事は『雑用は上司の隣でやりなさい』の著者による特別な書き下ろし原稿です)
たこす