編集部が選ぶ「センバツベストナイン」!防御率0.00の2年生左腕、周東級の俊足野手など超高校級の逸材たち!
箱山は準々決勝以降から7安打。全試合で打点を挙げ、6打点を残した。そしてイニング間のスローイングタイムは毎回1.9秒台を計測し、強肩を披露。今大会の出場捕手の中でも打撃の内容、準々決勝までわずか1失点に抑えた好リードも見逃せない。主将としてチームを束ね、大躍進の立役者となった。
齋藤は初戦の愛工大名電戦のサヨナラ打をきっかけに準決勝まで16打数9安打、一塁手ダントツトップとなる打率.569を記録。葛城 育郎氏から「軽くバット振る」ことと「ストレート待ち」のアドバイスで打撃が開花。決勝進出の大きなキーマンとなった。 山岡はベスト4進出したセカンドの中で、最も打率が高い打率.429をマーク。好投手に振り負けしない打撃や、球際の強い守備で、今朝丸をもり立てた。山岡は報徳学園グラウンドで、緊張感のある実戦形式の練習で守備を鍛え上げ、常に足を動かすことを意識して、鉄壁の守備力を見せてきた。
西村は決勝まで10度の守備機会で無失策の好守備。西村のもとに飛んだ打球というのはベース手際に強い打球が飛んでおり、処理が非常に難しい。それでも西村は難なく捕球し、ミスもなく、アウトを演出。2回戦の常総学院戦では4安打の大当たり。バットコントロールも非常に巧みで、攻守ともに光った三塁手だった。
颯佐は4試合全て安打を放ち、16打数6安打を記録し、3打点を記録。他のショートにはない強みといえば、圧倒的な強肩だろう。準々決勝の青森山田戦では、引っ張り傾向が多い右打者に備えて、芝生の中に入って守っていた。ちょうどそこに打球が飛び、颯佐はダイレクト返球を見せた。たびたび強肩を見せてどよめかせていたこと。そして投手としてもマウンドに登り、140キロを超える速球を投げ、4試合で防御率3.29と3試合はクローザー役をこなした働きぶりも評価したい。
境は神村学園戦でランニングホームランで観客をどよめかせた。この時のタイムは、14秒45。このタイム、どれだけ凄いのかというと、プロ野球を代表する俊足打者・周東 佑京外野手(東農大二)が20年3月15日の広島とのオープン戦でランニングホームランを打ったが、このときのタイムは14秒52で、周東より上回っている。プロ野球の俊足打者のベース1周のタイムは14秒5~15秒ぐらいなので、境はプロでも一流のスピードがあるということである。 中学時代に陸上で100メートル11秒06を記録した俊足を甲子園の舞台で存分に発揮していた。 準々決勝の大阪桐蔭戦では、今大会屈指の好投手・今朝丸 裕喜投手(報徳学園)からも3安打するなど3試合で12打数7安打をマークし、成績面も文句なし。さらにライトから抜群の強肩を披露。今年のドラフト候補の野手の中で一番株を上げた選手として選出した。 正林は初戦の作新学院戦でライトへ本塁打を含む2安打。大阪桐蔭戦でも3安打。合計9打数5安打で、打率.556、ОPS.1.556と出場校の外野手の中でも打撃指標が高かった。 内容も素晴らしく、多くの学校が苦戦した140キロ台の速球を投げる投手に対しても力強い打撃ができていた。打撃だけではなく、ベースランニングを見ても脚力も高く、外野守備も見ても、スローイングが堅実。全国トップクラスの強打者に相応しい活躍だった。
青木は準決勝を迎えるまで、4強進出の打者の中ではトップの打率6割を記録し、長打も5本記録。最終的に打率.500になったが、新基準バットになってもパワーとスピードを兼ね備えたトップバッターとしてチームを牽引した。外野守備でも俊足を活かして、守備範囲も広かった。