もはや忘れられた存在!? 平成の電子系玩具【山下メロの平成レトロ遺産:023】
記憶の扉のドアボーイ・山下メロです。さて、平成レトロ特集が組まれる際に必ず登場するのが1999年に日本で発売された電子ペットのファービーです。こちらは98年に米タイガー・エレクトロニクス社が発売し、日本ではトミー(現タカラトミー)が販売ライセンスを取得し大ヒットしました。 【写真】今週のレトロ遺産! そして、タイガー・エレクトロニクス社にはファービー以外にもクールなアイテムがあったのをご存じでしょうか? それが95年にタカラ(現タカラトミー)から発売された「ライツアウト」です。 こちらは5×5マスに自照式ボタンが並び、ボタンを押すと周辺のマスのライトが反転。その法則でボタンを押していき、最終的にすべてを消灯(ライツアウト)させるパズルゲームです。 ほぼ単一ゲームしか遊べないのに本体はゲームボーイポケットぐらい大きく、ミニテトリンなどのキーチェーンゲームがブームとなる時代には受け入れづらいスペックでした。 しかし、未来感のある洗練された銀のボディにイエローとパープルのボタンというアメリカンなデザインは秀逸で、筆者もおもちゃの「ハローマック」のチラシでライツアウトを見て欲しくて仕方がありませんでした。 実際に電源を入れると、昭和のLSIゲームのように太い電子音が鳴ります。そして暗い中でもボタンが光るため、フロアが暗いクラブカルチャーとの相性は抜群。おそらく当時も夜の街などで、ファッション感覚で遊ばれていたのでしょう。 遊べるゲームはほぼ単一ですが、ルールは単純ながら奥が深く、飽きずにのめり込める逸品です。 ファービーと同じく関連書籍も発売され、さらに後にはスケルトン仕様になったライツアウトの続編が発売。ほかにも「3OX(スリーオックス)」というマルバツゲーム的な近縁種が発売されるなど、単なる〝一発屋〟ではない展開を見せました。 ディスプレーで遊ぶデジタルゲーム全盛期に発売されたアメリカンなライツアウト。一周回った今こそ買い時なので、ぜひ見つけ出してクラブで自慢しましょう。 撮影/榊 智朗