アレン様「炎上商法で目立つしかないと思っていた」“人につっかかる”キャラからSNSで本来の自分を表現するまでの葛藤
テレビの企画に取り上げられるほか、知名度を上げる方法がなかった
2014年は、YouTuberの一般認知度が高まり始めていた時期であり、ツイッターもいまほど全世代への浸透度はなく、インスタグラムにいたってはようやく日本語版がリリースされた年。個人がメディアで活動するには、整備不十分な環境だった。 「だからもう、テレビの企画にはめられたものに出るしかなかったの。そうすると世間のイメージは悪くなる一方。本来の自分を出さないと、自分のよさが伝わるわけがないとわかってはいたんですけどね。本来の自分を出さないと失敗するってことは小学校・中学校時代に学習したことでしたし。そういう期間が5、6年ありました」 ーー書籍『全ア』によると、そのころに友人から「普段のアレンの方が面白いんだから、それをもっと見せたほうがいい」と言われ、SNSを開始したと書かれています。 「そう! だからSNSを始めたことはCHANGEの瞬間なんです。でも最初のころは、バカだったからテレビで作られたキャラクターでいくしかないってずっと思ってて。人につっかかる怖いキャラクターでやっていたんですよ」 ーーいまのアレン様とは違っていたんですね。 「そうよ。炎上商法で目立つしかないと思っていたんです。1のことを100でずっと言うっていう見せ方しかできなかった。でもヮタクシその当時ね、全然幸せじゃなかった。そんなことをやっているから歪んで歪んで(笑)。 見せたい自分が見せられない。誰も振り向いてくれない。そうするとますます歪んで歪んで、ひねくれているヤバいやつだったんですよ。でも、そんな自分に嫌気がさしてきたんです」
知人は口々に「プライベートはめっちゃおもしろいのに」
当時、本来のアレン様を知る身近な友人たちが口々に言った。 「プライベートはめっちゃおもしろいのに、ネットとかテレビに出ると、なんでツンツンなっちゃうの? もったいないよ」 だがアレン様は、すぐには受け入れられなかった。テレビ出演以降、否定的な目にさらされることを想像するクセがついてしまい「本来の自分を出して、もし受け入れてくれなかったら……」というためらいがあったのだ。 「でも、あるとき吹っ切れたんです。それまではバカにされないかと不安だったんだけど、この先もずっと今のまま、本来の自分を見せられないのは絶対にヤダ! って思って。“ちょっとかっこいい自分”を見せていましたが、それはやめて、本来の自分を出した動画をツイッターにアップしたんです」 ーー動画を見た人の反応はいかがでしたか? 「怖かったけど、勇気を出してよかった。受け入れてくれたのよ。それまでは『いいね』が10件しかなかったのに、急に2500人が『いいね』を押してくれたの。“アレンってやべえやつだと思ってたけど、なんかおもしろくない?”という反応が目に見えた。それを見たとき、“ヮタクシが求めていたのはコレだ!”って思ったの。そこからは止まらず、今に至ります」 アレン様は感慨深く言う。「本来の自分を見せてよかったんだって、このとき思ったわ」と。 「本来の自分を出すと、それまで全然見向きもしなかった人がこうやって振り向いてくれるんだって気づいたわ。本来の自分を出せない環境に身を置いていると、人生って不幸なほうに行くんだ、と思ったんです」 普遍的な悩みを抱えるファンに、語りかけるように話すアレン様。またしても、ファンの心を掴んで離さない左証が垣間見えたのだった。 アレン様 大物マダムタレント。生きる幻。中学時代に激しいいじめを経験し、非行に走り少年院に入院。高校に進学するも17歳で中退して上京する。19歳で初めて整形を行い、現在まで施術額は1億円を超える。2014年3月に『私の何がイケないの?』(TBS系)に出演したことをきっかけにタレントデビュー。2020年に『アウト×デラックス』(フジテレビ系)への出演で一般知名度が急上昇。近年は活動の場をSNSやYouTubeに移し、その一挙手一投足が常に話題となっている。イベントを開催すれば即ソールドアウト、最近では「アレン様の写真を待ち受けにすると幸運が訪れる」という伝説まで誕生した。 有山千春
有山千春