カンヌでクィアパルム賞、マララ・ユスフザイらが支援したパキスタン映画公開
第75回カンヌ国際映画祭で、ある視点部門審査員賞とクィアパルム賞を受賞したパキスタン映画「Joyland」が「ジョイランド わたしの願い」の邦題で10月18日に公開されるとわかった。 【画像】価値観に縛られる若き夫婦を描いた「ジョイランド わたしの願い」場面写真 パキスタンで2番目の大都市である古都ラホールを舞台とした本作。保守的な中流家庭ラナ家の次男ハイダルは失業中で、メイクアップアーティストの妻ムムターズが家計を支えていた。ある日ハイダルが就職先として紹介されたダンスシアターで、トランスジェンダー女性ビバと出会い惹かれたことから日常に波紋が広がっていく。サーイム・サーディクが長編監督デビューを果たし、アリ・ジュネージョー、ラスティ・ファルーク、アリーナ・ハーンらが出演した。 本国パキスタンでは、少数の保守系団体による「LGBTQ+や、彼らとの恋愛を美化して描いた」との指摘から「社会的価値観や道徳基準にそぐわない非常に不快な内容が含まれており、“品位と道徳”の規範に明らかに反する」と反発を受け、公開1週間前に上映禁止命令が出されるという事態に見舞われた。しかし監督・出演者らの抗議活動、ノーベル平和賞を受賞したマララ・ユスフザイや俳優のリズ・アーメッドらによる支援の声によって撤回。逆境を乗り越えた上映実現に注目が集まった。 「ジョイランド わたしの願い」は東京・新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国で順次公開される。 (c)2022 Joyland LLC