従業員の4割は障害者 11年前に設立した警備会社の「働き続けるためにしている工夫」
トラブル起きても無線で…
岩崎龍太郎社長(48) 「昨日はよく眠れましたか」 古川ユリさん(22) 「はいよく眠れました」 事務所には無線で連絡を受ける担当が常駐し、現場で警備に当たる障害者に寄り添います。 ATUホールディングス 岩崎龍太郎社長(48) 「現場で働く障害者の隣にうちの社員がいるというイメージです。『今大丈夫かい?』とい声かけもできますし、トラブルに巻き込まれた時には、ずっと押しっぱなしにしておけばトラブルの状況が全部聞こえますので、これをかなりの数配布して業務にあたっています」 警備に当たる従業員が現場から送ってくる日々の体調などを記入した日報を常にチェックしてコメントを返すほか、定期的に面談も行っています。 ATUホールディングス 岩崎龍太郎社長(48) 「現場でトラブルが発生して自分の中で抱えきれなくて『これ以上やっていける自信がありません』と日報に上げてきた従業員がいました。すぐに本人と会って話しをしてケアをすることで退職・休職を防ぐことができました」
「指導員」が現場にむかって声かけ
RKB 土橋奏太記者 「現場では障害のある警備員が適切に警備に当たれているか、毎日指導員がパトロールしています」 警備業界で長く経験を積んだベテランの指導員が現場で直接、実務的なアドバイスをする仕組みも構築しました。 古川ユリさん(22) 「ポンプ車やミキサー車が来た時に車の誘導に行ってきてという感じで言われます。現場を離れてもいい?」 指導員 本幡広行さん(50) 「施工主さんが手伝ってくださるなら行っていいけどね」 古川ユリさん(22) 「指導員の方が来てアドバイスしてくださるので、こちらとしてはすごく助かります」 指導員 本幡広行さん(50) 「臨機応変にできない、自分で状況判断ができない、という方もいますので、現場に行って直接指導しています」 指導員の本幡広行さん(50)は、元々ほかの会社で警備員として働いていましたが、9年前、足の病気で退社を余儀なくされました。仕事を探していた本幡さんに、岩崎社長は、「警備員として働けなくても、豊富な経験と知識を活かしてほしい」と、採用を決めました。 指導員 本幡広行さん(50) 「足の病気で警備員の仕事もなかなかできなかったんですけど、『指導員として経験を周りに教えてくれ』と言っていただいたのでATUに入りました」