2年で有料会員2万人の「みんかぶマガジン」編集長が語る快進撃の秘訣「読者の人生に伴走するメディアであること」
伸び悩むPVを救ったのは「米中危機」
――登録者数が伸び始める少し前の時期に心がけていたことはなんでしょうか? 無料メディアの場合は、乱立によりPVの上げ方のノウハウはもはや研究しつくされているようにも思います。一方で有料メディアの場合はまだ成功事例が少なく、手探りでやる必要がありました。つまりトライアンドエラーを続けることです。最初のほうは記事を出してもほぼ無風で、数字を見るのが心底辛かったです。 一時期は、成功しているサイトをそのまま模倣しようとも思っていました。しかし、それをやってもなかなか数字に繋がらなかった。 そんな中、2022年8月に米国のナンシー・ペロシ米下院議長が台湾に電撃訪問した際、政治アナリストの識者に、最悪の結果として米中摩擦激化による戦争、戦争に日本が巻き込まれる可能性などを解説してもらって記事が初めて”跳ね”ました。自分の身に危険が迫っているからこそ、読者としてはそれが会員になるインセンティブになったのかなぁと思いましたが、そういった形で何か数字に動きがあれば分析し、深堀していく、ということを続けました。 ――数を打ち続けてPDCAを回すことが奏功したと言えるのでしょうか。 通常のPDCAとは違い、「無駄な記事」を作らず、一つの記事のアベレージを上げていくことを心がけていました。つまり、ダメだった記事の改善にコストをかけるよりも、PVの良かった記事をさらに発展させていく。これがWEBメディアの場合は大事であることに気づきました。 ――読者はみんかぶマガジンにどんなことを求めていると思われますか? みんかぶマガジンは色々な見え方がされていると思います。中学受験特集で入会した人もいれば、投資の記事で入会した人もいますし、羽生結弦さんといった”推し”の記事を読みたくて入会した人もいるでしょう。そんな中で、大切なのは今お金を払っている人に対して裏切らないということだと思っています。 吉田豪さんの短期集中連載「私が愛した松本人志」をきっかけにみんかぶを購読してくれた読者も、たくさんいらっしゃいます。彼らの期待を裏切らないためにも、彼らが読みたいと思えるような記事を継続して出していきたいと思いっています。 一方で、人は生きるためにはお金が必要なので、ぜひお金に関するコラムも読んでいいただきたいですし、会員になったら使える資産管理ツール「アセプラ」も利用していただいて、みなさんのお悩みや推しのために仕えるお金を増やしてもらいたいです。 いずれにせよ、みんかぶマガジンとしてこだわっているのは本物の声です。投資に関する記事ではとにかく第一線で活動する投資家さんの声を重要視しています。経済アナリストよりも投資家の感覚や哲学、自分なりのルールなどを記事にしています。中学受験の記事でも、中学受験した子どものお父さんの記事は大変読まれます。そういった本物の声をこれからも大切にしていきたいです。