NBA挑戦の河村勇輝がアメリカへ出発 「日本で培ったものは世界で通用すると証明したい」
バスケットボール男子米プロNBAに挑戦する河村勇輝が21日、羽田空港から出発した。10月1日からトレーニングキャンプに参加し、エキシビット10契約を結ぶグリズリーズと、日本人4人目の本契約を目指していく。「すごくワクワクしている。緊張もあるけど、キャンプでプレーできることは光栄。いい経験になるんじゃないかな。楽しみ。自信はある」と胸を高鳴らせた。 通訳などは付けず、単身で米国に乗り込む。単身渡米を「修行」と表現。「1人で大変なこと、苦しいことを乗り越えることに意味がある。特に競技上、コミュニケーションは大切。通訳を連れていくと語学力の(上達)スピードは落ちてしまう。日本は素晴らしい環境でプレーできているし、プレー以外の部分でも支えてもらっている。そういう甘えを含めて、アメリカでは一人で自立してやっていくことを目標に、覚悟を持っていく」と力強く語った。 河村は福岡第一高3年時に三遠と特別指定選手契約を結びBリーグデビュー。22-23年シーズンはMVPと新人賞を同時受賞した。日本代表ではトム・ホーバス体制にかかせない司令塔として躍動。昨夏のワールドカップではフィンランド撃破などに貢献し、パリ五輪ではフランスを試合終了間際まで追い詰める活躍を見せた。 パリ五輪後から現在までは、家族や高校時代の恩師らと時間を過ごし、英気を養ったという。「ファン、恩師も僕がNBAのコートに立つことを夢見ていると思う。みなさんの夢もかなえられるように。時間はかかるかも知れませんが、夢を追いながら、自分と向き合って成長してNBAのコートに立ちたい」と覚悟を示した。 対戦したい選手は自身と同じくペイサーズとエキシビット10契約を結ぶ富永啓生と、パリ五輪でチームメートだった八村塁(レーカーズ)。「富永選手は同い年で、高校からずっと戦ってきたチームメート。彼とはまた一つ大きな舞台で、一緒に相手としてコートに立てたら。八村選手も五輪で一緒だった。コートに立って戦える日が来れば」と先を見据えた。 寝具は持参して快適な睡眠環境を整え、食事面は栄養士のサポートを受けて自炊に励んで行く。またバスケットボールは現地で購入予定で、コート外でもNBA仕様のボールに触れながら感覚を養っていく。 「こんなに早くバスケット人生でNBAに挑戦する日が来るとは正直思っていなかった」と率直な思いを口にし、「日本でプレーしてきて培ったものは世界で通用すると証明したい。子どもたちがいろんな選択肢を増えるような結果で、終われればいいと思う。そのためには僕がNBAのコートに立つのが必要」と日本を背負う覚悟を示した。 「英語の能力、生活の部分で大変なところあると思うけど、バスケの挑戦を通じて人としてより大きく成長して、熱くなれるように頑張ります」と河村。ワールドカップ、パリ五輪で世界を驚かせた日本の正司令塔が、世界最高峰の舞台に挑戦する。