【大人のための至福のホテル案内】自然派ラグジュアリーホテルの先駆「シックスセンシズ 京都」
シックスセンシズの取り組みで注目したいことの一つが「Grow With Six Senses」という子ども向けのキッズクラブだ。子どもたちが夢中になって遊びながら、折り紙など日本の伝統や、室内では靴を脱ぐといった習慣を学べる仕組みになっている。スパにはキッズスパメニューがあり、ファミリーフレンドリーな滞在が可能だ。 「子どもたちが楽しければ親御さんも喜びます。またこのホテルに泊まりたい、世界のシックスセンシズに行ってみたいと子どもたちが旅のイニシアチブを取るきっかけになりますね」(シックスセンシズ 京都 総支配人 ニコラス・ブラック氏)
シックスセンシズの真骨頂といえる「シックスセンシズ スパ 京都」では、日本初の「ウェルネススクリーニング」を導入。最新鋭の機器で心拍数、血圧など、およそ40種類のバイオマーカーを測定し、数分で体の内部でケアが必要な箇所を導き出す。この結果を踏まえて専門家がトリートメントプログラムを組み立てる。長期スパンで定期的にスクリーニングを受けることも可能なので、世界のシックスセンシズではリピーターが多い。また、日本のホテルで2つめの「WATSU(ワッツ)/水中ボディワーク」専用のプールや、時差ボケや疲労を短時間で回復させる「バイオハック リカバリー ラウンジ」がある一方で、禅の思想に則って心身を休めるシックスセンシズ スパ 京都限定トリートメント「阿吽 (あうん)」も人気を博している。
サステナビリティの中枢となるのは「Earth Lab」(アースラボ)。ここではホテルで使うすべての飲料水を浄水して再利用可能なガラス瓶にボトリングしている。自家発電ならぬ自家浄水をすることで、水の輸送にかかるCO2の排出量の削減とプラスチックフリーを実践している。2022年のシックスセンシズの公式発表によると、世界のシックスセンシズで170万本分のペットボトルの使用を削減した。アースラボでは金継ぎ、蜜蝋ラップ作り、廃棄された食材を粉砕して塗料として使用する扇子絵付け体験など、様々なアップサイクルのワークショップを提供している。エココンシャスな旅の思い出を家に持ち帰って欲しいというシックスセンシズからのメッセージが込められている。 かつて日本では着物を仕立て直し、竹の皮でおにぎりを包み、茶殻で掃除をしていた。衣食住において古くからサステナブルを実践してきた私たち日本人のDNAが時を超えてシックスセンシズ 京都と融合する。 PHOTOGRAPHS: COURTESY OF SIX SENSES KYOTO シックスセンシズ 京都 住所:京都府京都市東山区妙法院前側町431 TEL. 075-531-0700 BY HARUMI KONO 髙野はるみ(こうの・はるみ) 株式会社クリル・プリヴェ代表 外資系航空会社、オークション会社、現代アートギャラリー勤務を経て現職。国内外のVIPに特化したプライベートコンシェルジュ業務を中心にホスピタリティコンサルティング業務も行う。世界のラグジュアリー・トラベル・コンソーシアム「Virtuoso (ヴァーチュオソ)」に加盟。得意分野はラグジュアリーホテル、現代アート、ワイン。シャンパーニュ騎士団シュヴァリエ。