【イスラエル】イラン報復攻撃、大半を迎撃-ハマスは戦闘休止拒否か
(ブルームバーグ): イランが無人機とミサイルでイスラエルに攻撃を加え、イスラエルと同盟国はその大半を迎撃した。在シリアのイラン大使館が今月1日に攻撃を受け、革命防衛隊の司令官らが殺害されたことへの「正当防衛」とイランは主張しており、同国が自国内からイスラエルを攻撃するのは、今回が初めて。
イスラエル軍のハガリ報道官は14日未明、イランが発射した200発以上の弾道ミサイルと巡航ミサイル、攻撃無人機の大半が着弾前にイスラエルの同盟国の支援で迎撃されたと説明した。10歳の少女が重傷を負い、陸軍基地に軽微な被害があったことも明らかにした。報道官はこれより先、イラン本土からの直接攻撃は深刻かつ危険なエスカレーションだと非難していた。
イラン革命防衛隊のサラミ司令官は国営放送で、攻撃は同国とイスラエルの関係が新たな段階に入ったことを告げるものだとし、「今後、ユダヤ主義者の政権がわれわれの利益や資産、国民や市民をあらゆる時点で攻撃する場合、イランから反撃する」と表明。これまでは代理勢力を通じ背後から操っていたイスラエルとの戦争に、イランがより直接的に関与する用意があることを示唆した。
イランの攻撃後、同国が支援しパレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム組織ハマスは、仲介国による最新の戦闘休止提案を拒否したと、イスラエル首相府が対外情報機関モサドの声明を引用して発表した。
今回のイラン攻撃が原因だとモサドは直接言及しなかったが、ハマス指導者ヤヒヤ・シンワル氏はイスラエルと「イランの緊張を利用し続けている」とし、「人道的な合意と人質の返還を望んでいない」と非難した。イスラエルは交渉で多大な柔軟性を示したとも主張した。
モサドはイスラエルのハマスとの交渉を主導。米国、カタール、エジプトが仲介役を務めている。
デラウェア州私邸での休暇を切り上げホワイトハウスに戻ったバイデン米大統領はイスラエルのネタニヤフ首相と電話で会談した。大統領はイスラエルの安全保障に対する米国のコミットメントは「揺るぎない」との声明を発表した。