順天堂医院で内視鏡検査後に女性急死 第三者機関調査 胆管損傷、検査「適切と言い難い」
産経新聞の取材に、順天堂医院は「本件の医療事故調査・支援センター報告書は受領しているものの、同センターの報告書は適切でないとの認識だ」としている。
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医療事故調査制度は医療中に予期せぬ死亡事例が発生した際に、その死因や原因を調べ、再発防止につなげるための制度だ。責任追及を目的としたものではない。平成27年10月施行の改正医療法で盛り込まれた。
制度では、患者らが死亡したケースを「医療事故」とし、その医療機関に(院内)調査と、医療事故調査・支援センターや遺族への調査結果の報告を義務づけている。
その後、遺族か、医療機関が求めた場合にセンターによる調査が行われる。センターの調査は複数の専門家によって中立的な立場で実施され、その結果も遺族と医療機関に提供される。
センターによると、施行から今年11月までに医療事故の報告は計3230件で、このうちセンターへの調査依頼は269件だという。ただ、制度にのせるかどうかは医療機関側の判断に委ねられている。このため、実際の「医療事故」は3230件よりも多い可能性が指摘されている。