ブリッジウォーター、中国で成功報酬引き上げ計画-資産が順調に拡大
(ブルームバーグ): ヘッジファンド運営会社ブリッジウォーター・アソシエーツは、中国本土のファンドの成功報酬を引き上げる計画だ。堅調なリターンがさらに多くの資産を引き寄せており、5兆2000億元(約116兆円)規模の中国ヘッジファンド業界の混乱を乗り越えている。
事情に詳しい複数の関係者によると、上海を拠点とするブリッジウォーターの私募ファンド部門は既存ファンドへの募集を停止し、新たな商品の手数料水準を引き上げる意向をディストリビューター(募集販売会社)に伝えた。5%を超えるリターンに対して、20%の成功報酬を求める計画だという。現在の同報酬は10%。非公開情報だとして匿名を条件に話した同関係者によれば、管理手数料に変更はない。
ブリッジウォーターは電子メール経由でコメントを控えた。
同社は現地投資家から支持を集めるにつれて、手数料を世界的な業界標準並みに調整しようとしている。ブリッジウォーターの中国本土の運用資産は今年、400億元超に拡大し、DEショーやツーシグマ・インベストメンツなどグローバルな同業他社の4倍余りに膨らんだ。
珍しい引き上げ
中国当局による監督強化やリターン縮小への対応に業界が追われる中、今年の手数料引き上げは珍しかった。中国のヘッジファンド運用資産の合計は5月までの1年間で13%減少。現地の運用会社の中には、投資家の信頼感を高めるために自社商品を購入したり、手数料を引き下げたりしているところもある。
関係者によると、ブリッジウォーターのオールウェザー・プラス3号ファンドのリターンは2021年の設定以来、5月末までで年率12.7%。株式や債券、コモディティーに分散投資する同戦略のリターンは今年に入り、5月までで12.9%に達しているという。
中国当局が16年に規制を緩和した後、30余りのグローバル企業が中国に全額出資のヘッジファンド部門を設立したが、ブリッジウォーターは資産が100億元を超える唯一の外資系ファンド運営会社だ。