【高校野球】「壱岐から甲子園」選抜甲子園21世紀枠長崎県推薦校ー壱岐高校 選手21人全員壱岐島出身で初の九州大会8強の快進撃 強さの秘密に迫る
NCC長崎文化放送
選手21人全員が壱岐島の出身。創部48年目にして初の九州大会出場を果たし、大舞台で飾った1勝。決して飛び抜けた選手がいるわけではない。チーム一丸となって巻き起こした壱岐旋風。吉報を待つ選手たちの思いに迫ります。 【写真】「壱岐から甲子園」選抜甲子園21世紀枠長崎県推薦校ー壱岐高校 選手21人全員壱岐島出身で初の九州大会8強の快進撃 強さの秘密に迫る
●壱岐の野球文化 玄界灘に浮かぶ離島、壱岐島。人口約2万4000人が暮らしています。壱岐は、野球が最も盛んなスポーツと言えます。データから見ると、男子中学生のうち、長崎県全体で一番多いのはバスケットボール部。軟式野球は7.7%で4位です。 一方、壱岐島にある4つの中学校で軟式野球部には28.3%の男子生徒が所属していて、圧倒的割合。県で2番目に多いサッカー部が壱岐の中学校には存在しません。 中でも今の高校2年の学年は中学時代から黄金世代。現キャプテンの浦上選手を擁した2年前の郷ノ浦中は、県少年軟式野球で優勝すると、九州でもチャンピオンに。 しかし県中総体では、壱岐市の勝本中が優勝。全国大会にも出場しました。 壱岐の2校で、県王者のタイトルを分け合うレベルの高さ。そうなると主力選手は、甲子園出場経験のある島外の強豪校から声がかかります。山口選手のグローブにも刻まれている『壱岐から甲子園』。この言葉を合言葉に、壱岐の黄金世代が1つの高校に集まりました。 ●限られた練習環境の中でも… 壱岐高校は、国公立大学や有名私立を目指す生徒も多い進学校。授業は50分間が7時間と部活動の時間も長くありません。練習環境も、決して恵まれているとは言えません。黒土が入った専用野球場を持つ強豪私立に対し、壱岐高のグラウンドは水はけも悪く、陸上部やサッカー部と兼用。選手も2学年で21人と多くないため、練習内容も限られます。 今年から本格的に始まったのが「課題練習」。自らの課題克服に向け、その日の練習内容を選手それぞれが決めます。 ●秋の高校野球で快進撃 秋の県大会では、エース・浦上を中心とした高い投手力・堅い守りを武器に、3試合連続無失点勝利で決勝進出。創部48年目にして初の九州大会出場を決めました。 九州大会出場が決まり、周りから「21世紀枠」の可能性を示されながらも、目標は「自力での甲子園」と言い続けました。自分たちに言い聞かせるように。 九州大会の1回戦、初出場で初勝利を飾り、選抜出場が有力視されるベスト4がかかった準々決勝。あと1勝及ばず。準々決勝敗退となりました。それでも初の九州大会ベスト8の快進撃は、多くの人に勇気と感動を与えました。 ●「21世紀枠」の可能性 選抜甲子に出場できるのは32校。そのうち2枠の「21世紀枠」は、大会成績に加え、文武両道・困難克服・地域貢献。この3点で評価され、「ハンデを乗り越えて奮闘した学校」に甲子園切符が与えられる制度です。これまで県内では選出された高校はありません。 壱岐高校は「離島地区・少人数という困難を抱えながらも、九州大会でベスト8に進出した」という評価理由で県推薦校に選出されました。12月13日に九州・沖縄各県の推薦校の中から1校に絞られ、2025年1月24日に出場校2校が決まります。
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