スズキ「カプチーノ」や「アルトワークス」が激走! 軽自動車だけで争う200分の戦い「東北660耐久レース」が開幕
3クラス:トラブルを乗り越えて悲願の優勝
もっともエントリー台数の多い3クラスは、従来のMT勢と2023年から爆発的に増えたHA36アルトのAGS組によるバトルが繰り広げられた。混戦のなか見事ポール・トゥ・ウィンを果たしたのは、東北660の常連ドライバーが結集したARY 54の「形見エッセ」だ。 しかし順風満帆なレースだったわけではなく、前日の練習で横転し急遽L275型ダイハツ「ミラ」に変更。車両は2023年シーズンの東北660選手権・2クラスを制した小松日高のマシンで、ほかのドライバーもほとんどがL275ミラ乗りということもあり、すんなり順応できたのは幸運だった。 優勝の140周には少し及ばなかったものの、2位と3位はHA36アルトのAGSが独占する結果に。2位の「fixed STARS NEXZAS」は2023年の東北660選手権・4クラスと、東北660・HA36カップの2クラスでチャンピオンを獲得した猪又真輝を中心に、2024年シーズンの飛躍が期待される20代の若手ドライバーばかりを集めたチームだ。 3位の「ジジイでも走れるアルト」は、サーキットへ来る途中にエンジントラブルを起こし、同じチームである椎名栄一郎のHA36アルトを投入するという緊急事態となったが見事3位をゲットした。ちなみに3クラスは2位が138周で3位が137周、それ以降も4位の塩山自動車アルトが同一周回で、5位と6位も136周と最後まで目が離せない展開。次戦はどのチームが頭ひとつ抜け出すのか楽しみだ。
4クラス:リンクサーキットで強いミラがエビスでも勝利
旧規格もOKでハイグリップラジアルを履ける4クラスは、L275ミラの「おいなりさん feat. S.C.I」が優勝を飾る。第2戦が開催されるリンクサーキットでは以前から好成績を収めていたが、今回はエビスサーキット東コースでも実力の一端を垣間見せた。 彼らの142周からは遅れを取ったが「チーム関東 ARY」は、今シーズンから投入したHA23アルトで手堅く2位表彰台。2023年まで東北660選手権の3クラスを走っていた松本信也のマシンで、2024シーズンからL275のCVTで4クラスへ移行するため譲り受けたそうだ。 2023年まで使っていたL275とはだいぶ乗り味が違うはずだが、岩塚眞澄と須藤広稀は東北660シリーズに長く参戦しているだけあり、次戦では「おいなりさん feat. S.C.I」を脅かす存在になりそうな予感だ。
学生クラス:初参戦ながら一度もトップを譲らなかった東京農工大学が優勝
そして学生クラスは東京農工大学自動車部「TNUAX × ICRT エッセ」が、初参戦にして練習走行/公式予選/決勝と一度もトップを譲らず完全優勝をはたした。準優勝は秋田県立大学自動車部「APUMSC」のHA23アルトで、3位には同じく初参戦の岩手大学自動車部「IUAC DXL カミオン ミラ」が入った。 リンクサーキットで開催される第2戦はシリーズ最長となる5時間で、しかも7月開催とドライバーにもマシンにも過酷なレースであることは必至。順位やタイムだけではなく、各チームの趣向を凝らした熱対策にも注目だ。
佐藤 圭