【時系列でわかる⑬】イスラエル首相「戦争はあと何か月も続くだろう」(26日~12月31日まで)
■12月28日 イスラエル軍空爆、ガザ地区南部ラファで20人死亡
イスラム組織ハマスの掃討作戦を続けるイスラエル軍の空爆でガザ地区南部のラファでは20人が死亡するなど多数の犠牲者がでています。 エジプトに近い南部ラファで撮影された映像です。がれきの下敷きになって動けなくなっていた乳児は生存した状態で救助されたということです。 空爆で破壊された建物には逃れてきた住民が避難していたとされ、ラファでは少なくとも20人が死亡し55人が負傷したということです。 また、南部の主要都市ハンユニスでも空爆で住宅が破壊され8人が死亡したということです。 イスラエル軍は、ハマスの活動拠点があるとして中部でも難民キャンプを空爆するなど人口密集地にも攻撃を行っていて、ガザ保健当局は28日、過去24時間で210人が死亡したとしています。 こうしたなか複数のメディアは、エジプトが3段階の停戦案を提案する中、ハマスの代表団が29日にカイロを訪れ、戦闘休止に関する協議を行うと報じています。
■12月29日 ハマス側“人質解放交渉の再開”に前向きな姿勢~現地メディア
イスラエルのメディアは、イスラム組織「ハマス」が人質解放交渉の再開に前向きな姿勢を示していると報じました。 イスラエル・メディアによりますと、ハマス側は人質解放交渉の再開に「基本的に同意する」としていて、仲介役のカタールがイスラエルに対し、このメッセージを伝えたということです。 ガザ地区での戦闘を1~2週間休止した上で、ハマスがおよそ40人の人質を解放することと引き換えに、イスラエルも拘束中のパレスチナ人を多数釈放するという条件で、交渉が進められるものとみられています。 ただ、ハマス側はこれまで恒久的な停戦なしに人質を解放することはないと繰り返し主張していて、実際に交渉が進むのかどうかは依然不透明です。
■12月30日 ガザ地区「人口の40%が飢餓の危機に」 食料不足が深刻化…国連機関が窮状訴え
イスラエル軍とイスラム組織ハマスの戦闘が続くパレスチナ自治区ガザ地区で人道支援を続ける国連機関が30日、「人口の40%が飢餓の危機にある」と窮状を訴えました。 パレスチナ自治区ガザ地区で人道支援を続ける国連機関の現地事務所長は30日、旧ツイッターの「X」に支援物資を載せた車列に人々が押し寄せる様子を投稿しました。 現地は食料不足が深刻化していて、「ガザ地区の人口の40%が飢餓の危機にさらされている」と窮状を訴えています。 しかし、戦闘は続いていて、ガザ地区の保健当局は30日、24時間で165人が死亡したと発表しました。 こうした中でも、イスラエルのネタニヤフ首相は30日、「戦争はあと何か月も続くだろう」と強調していて、事態の打開は見通せない状況です。