屋台イメージの炊き出し、被災住民笑顔に 滑川の有志、能登町で「どんどん焼き」振る舞う
富山県の滑川市内のどんどん焼き販売店らでつくる「滑川どんどん焼き隊」のメンバーら有志7人が今月、能登半島地震で甚大な被害を受けた石川県能登町で炊き出しを行った。子どもたちを元気づけようと、祭りの屋台をイメージして現地で焼いて振る舞った。隊長で同市の「どんどん焼本舗小幡」3代目の小幡和久さん(54)は「この1カ月、住民の皆さんは避難生活を続けて大変だったと思う。笑顔を見ることができ、本当にうれしかった」と話した。 どんどん焼きは祭りの人気メニュー。滑川どんどん焼き隊は、県内のルーツとされる滑川の味をPRしようと、2015年に発足。近年は事業者の廃業や死去、新型コロナの影響などで活動休止状態だった。余っていた活動資金は全額、被災地支援に充てることにした。 滑川市のボランティア団体を通じて、能登町の要請を受けて炊き出しや物資支援を続ける富山市の一般社団法人ボディセンス・インスティテュート(高橋由紀代表理事)に協力を申し出た。同町の住民からは「にぎやかで、元気になれるイベントがあればいい」との声があったという。
1月30日に道路状況の確認や他団体の支援で現地入りし、屋台やキッチンカーで炊き出しを行うことを決定。調理に必要なガスや荷物を積み込む商用車は滑川市内の企業、食材を炒める鉄板や市のマスコットキャラクターをかたどったたい焼き「キラリン焼き」用の金型は市観光協会が提供した。 2月4日は同町松波地区で炊き出しを実施。どんどん焼きや焼きそば、キラリン焼きのほか、高岡市を拠点に活動する小幡さんのキッチンカー仲間が綿あめを、それぞれ300食ずつ用意した。同町の住民や高校生が店番として協力し、3時間ほどで約90人が訪れた。 小幡さんは「子どもたちがおいしそうに食べる姿を見て、町に来て本当に良かった」と話した。