「押して切る」?「引いて切る」?包丁を正しく使っておいしさアップ!プロが教える食材別の正しい切り方とは
硬いものは押し切り、柔らかいものは引き切りが基本
何でも切れる三徳包丁でほとんどの料理を作っている料理人がいます。関市内の創作和食「葉菜」のシェフ、水谷千佳さんです。 (葉菜・水谷千佳シェフ) 「食材によって押したり引いたりしています。硬いものだと押して切ったほうが安全。柔らかいものだと押すよりも引いたほうがいい場合があります」 硬いニンジンは押し切り、豚のヒレ肉は柔らかいので引き切り、マグロの切り方も引き切りにしています。鈴木さんのマグロの切り方も引き切りでしたが、水谷シェフは少しだけ気になることが。 (葉菜・水谷千佳シェフ) 「包丁の動きはすごく良かったんですけど、三徳包丁に対してマグロの柵が長すぎる。最後の部分が崩れてしまう」 マグロの刺身などを切る際、柵が太い場合は、まず細めにすることで三徳包丁の刃渡りでも切りやすくなります。さらに、食材の見た目だけでなく、きれいに切るとおいしさも変わるのだとか。 例えば、玉ねぎのみじん切りのポイントは、玉ねぎに縦方向に入っている繊維を切ってしまわないこと。 (葉菜・水谷千佳シェフ) 「繊維に沿って繊維を壊さないように。(繊維を壊すと)野菜のうま味が逃げて、苦みやえぐみが出ちゃうので」 縦に切れ目を入れたら、今度はまな板に並行に包丁を入れ、みじん切りにしていくのがいいそう。あとは粗い部分だけに、包丁を入れれば完了です。
切れ味のいい包丁で繊維に沿って切るとうま味アップ!
味の違いを比較するため、繊維を横に切ったみじん切りを生で試食してみると、辛味が。繊維を壊すと、玉ねぎの辛味成分「硫化アリル」が外に出て涙が出やすく、辛味も強く感じてしまうのです。一方、繊維に沿って切った水谷シェフのみじん切りの味は甘味があり、フルーツ感がありました。 包丁の切れ味によっても、おいしさは変わります。新品の包丁と、砥がずに使い続けた包丁で、マグロとピーマンを切り、味覚センサーで調べたところ、マグロは切れ味の落ちた包丁を使うと旨みがなくなり、苦みが増加。ピーマンも、砥がずに使い続けた包丁では苦みも酸味も強くなってしまう傾向に。 繊維を壊してしまうことが原因のため、よく切れる包丁を使うだけで子どもの好き嫌いを克服できるかもしれません。 今回の報告!「包丁は、硬いものは押して切る。柔らかいものは引いて切るのが基本。繊維をなるべく壊さず切れば、料理もおいしくなります」でした。 (葉菜・水谷千佳シェフ) 「包丁の使い方に正解とか不正解はなくて、自分のやり方で全然大丈夫です。食べてもらう人のことを考えて安全に切れるようにすることが、一番おいしく料理を作るポイントだと思っています」 無事に包丁の使い方についてのギモンを解決することができました。 CBCテレビ「チャント!」2月2日放送より
CBCテレビ