東大推薦=数学オリンピック日本代表の天才、ではない! 「トイレ研究」で東大生になった女性に聞く「熱意の正しい使い方」
大学の推薦入試の現状について東京工業大学准教授の西田亮介氏は「年長世代はついつい国立大学は難しい2次試験を経て入る場所であり、推薦入試やAOというと私立大学と思ってしまいがちだが、現在は約8割の国立大学において総合選抜(旧AO入試)等を実施しており、おそらく今後も増えていく」と説明。 また推薦入試が増えた背景については「子どもの数が減ったため、単純に学力で競争させても十分な競争環境を維持できないという現実がある。そのため、いろいろな観点で評価をする総合選抜や推薦入試が必要になっている。実は総合選抜を用いることで“勉強ができない学生”ばかりが入るようになるというのは杞憂であることが既に知られており、入学後にも高いモチベーションを維持できる学生の獲得が狙いだ」と解説した。 さらに西田氏は「入試の公平性」については「一般入試の方が一見公平に思えるがどちらも『対策』が可能であり、塾などにはすでにノウハウの蓄積がある。面接を含めた総合選抜においても『何を研究すればいいか』などは博士号取得者や塾の担当者などに聞けば『対策』ができてしまう。推薦入試・AO入試ではいろんな体験をすることが重要であるため、裕福な家庭が有利になるのでは、と指摘されがちだが一概にそうとは言えない。なぜなら素晴らしい研究とは『コストをかけずに人が驚くような成果を出したもの』のことだからだ。つまり、塾などに頼るという従来のやり方ではなく、新しいやり方を自力で生み出した人にもチャンスがあるということだ」と述べた。 (『ABEMAヒルズ』より)