寒ブナ漁、今年こそ 羽咋・邑知潟で本格化 ファンの元へ「より多く」
羽咋市の邑知潟で、冬の風物詩である寒ブナ漁が本格化している。昨年は能登半島地震後の片付けなどに追われ、フナの需要が高まる1月中に出漁できない漁師が多かった。寒さが増すほどに身が引き締まり、脂が乗る寒ブナは市外にもファンが多い。漁師は今年こそ、多くの冬の味覚を飲食店や食卓に届けようと、小舟から網を次々と投げ入れた。 【写真】投網で捕れたフナ 穏やかな天気となった4日、邑知潟漁協の4人が出漁した。寒ブナ漁は例年12月に始まるが、今季は天候の悪い日が多く、1月に入ってから漁に出る漁師が目立っている。4日は、これまでに降った雨の影響で水が濁り、水揚げ量は多くなかったものの、約30匹を捕らえる漁師もいた。 午後から漁に出た崎田智之さん(52)によると、形が良いフナも見られ、今後に期待できるという。崎田さんは「昨年はあまり量が出せなかった。寒ブナを楽しみにしている人のためにも頑張りたい」と話した。 邑知潟漁協によると、地震の影響で、潟の護岸にも亀裂が入るなどの被害があった。漁に大きな影響はないものの、潟の底では至る所に50センチほどの隆起が確認できるという。 ●「こりこり」人気 邑知潟の寒ブナは主に刺し身で食べられる。こりこりした歯触りで独特のうま味があり、市外からも引き合いがある。今月上旬にも市内の鮮魚店や飲食店で提供される。