【The追跡】9,000億円規模の再開発 築地が変える?東京の“都市力”
築地が東京の魅力に貢献!?
動き出した築地の再開発。その進展を待ちわびるのが、10年前に中央区勝どきにマンションを購入した伊藤さんです。マンションの窓からは築地市場跡地が一望できます。 購入時には4300万円だったこの部屋の価格は現在7割以上上昇し、およそ7500万円です。再開発で、今後も資産価値が向上することを期待しているといいます。さらに東京では2040年ごろの開業を目指し、臨海地下鉄を整備する計画です。東京駅を起点に、銀座や築地を経由し、有明地区に至る新路線です。 「再開発を機にもっと前倒しして、早く開通してくれればいいなと思っています」(伊藤さん) さまざまな変化のきっかけになりそうな築地の再開発。都市計画の専門家、明治大学の市川宏雄名誉教授は成功の鍵を握るある機能に注目しています。 「東京が今最も世界の競争力に必要なMICEの機能がどのくらい出せるか」(市川名誉教授) MICEとは国際会議や展示会など多くの集客や交流が見込まれるビジネスイベントなどの総称です。今回の再開発の図案にも、MICEの文字がありました。スタジアムを中心に大規模なビジネスイベントを開けるようになる予定です。 市川名誉教授も作成に関わる「世界の都市総合力ランキング」で東京は3位。MICEのような施設を評価する文化・交流の分野で上位のロンドン、ニューヨークに追いつける可能性があるといいます。計画通りならば、築地の施設が都内で東京ビッグサイトに次ぐMICE施設になるためです。 「観光客でなくビジネス関係の人が集まることで新しい接触が始まって、東京を含んだ日本の経済に活力を与える」(市川名誉教授) 「この再開発は責任重大か?」(大江キャスター) 「この成否は東京の成否にかかわっています。単なる1カ所の開発とは限らない。もっと大きい意味を持っている。ぜひ成功してほしい」(市川名誉教授) ※ワールドビジネスサテライト