都議会改革検討委 民進山口氏に聞く「議員公用車は段階的に廃止が理想的」
議員公用車 ── 必要な時に使用する分は認めるべきという立場
●「議員公用車の廃止」について ── 「議員公用車の廃止」に対する民進党会派の立場を教えてください。 私たちも、この議論が起こる前、前身の会派のころから、公用車の利用については自主的に制限をしているところです。今期からは一度も使っていません。都議会選挙では、廃止を含めて見直しをしていくというのは、公約に入れていました。 ── 公約に入れた理由を教えてください。 台数が多すぎる、また、本当の必要度合い、利用の実態等が都民のみなさまに非常に伝わりにくい、わからない、という批判を日々寄せられていたので、そこに対して明確に説明できないものに関しては、また議員公用車という存在のあり方そのものが見直しを図る時代に入っているのだろうということで、見直しをするべきだということを公約としてみなさんに伝えてきました。 ── 「見直し」とは、具体的にはすべて廃止するということでしょうか。 私たちは現状において、すべてを廃止するのではなく、本当に必要な時に使用する分に関しては認めるべきだろうという立場を置いています。議長、副議長をはじめ、公務として本当に必要とする場合、もしくは他からのお客様を迎えて公用車として車を必要とする場合が考えられますので、そういった場合に利用する分には問題ないと認識しています。 ── 必要があれば議員公用車があっても問題ないという立場だったのですか。 いえ、私どもも当然廃止が前提ですけれども、今のところの段階で言うと、議長、副議長ということで言えば、認めるべきだろうという立場です。 もちろん、正副議長車以外は廃止をしていくことが理想的だと考えています。これまでは、ご承知の通り、幹事長車とかいろいろ名前がついて特定に配車をされているような背景がありましたが、そういった使い方も問題があると思いますし、ただ、今すべてを廃止していくことが経費削減や、職員配置も含めてすべてがプラスだとは思えませんので、段階的にきちっとその方向に向かうことが理想的だと思っています。 みなさん共有していると思いますが、議員公用車が本当に必要な台数、正副議長車を含めて必要最小限に向かって大きく削減をスタートしたというのが、今回の削減の意味です。 ── 今後3年で22台から9台に削減しますが、これで終わりではないということですか。 そうですね。もちろん、議論は加速をしていくと思います。 ── 議論はどのように進んだのでしょうか。 これまで使われてきた現状から、本来何がどこまで許されるべきか、どのように配置、配車されてきたのかの整理を含めて、今後はどうすべきかをていねいにそれぞれの会派が主張したものと認識しています。 会派によっては、「議会に限らずすべての公用車についても検討すべきではないか」という貴重な提言もありましたし、それはあくまで議員公用車という、ですから途中から議員公用車という呼び方にすべて変えました。 ── 途中までは公用車と呼んでいたのですか。 公用車というと、すべての車が公用車です。 ── 都庁の局長が乗る車もそうですね。 もちろんそうですし、職員の方々が職務で使われる車も公用車です。それは議員公用車ということできちっと考えましょうということで、みなが合意しました。そういうきちっとした認識をもう一度明確に整理するところからスタートしました。なくてもできるのか、なくて困る人がいないのか、迷惑をかけることがないかも当然考えなければいけませんでしたし、議論として加えねばならないかどうかも議論しました。 ── なくてもできるのか、とは、公務に支障をきたさないのか、ということですね。 それぞれの主張がありましたから、対外的に、また対内的に職責を果たすべき方々が交通事情で職責をまっとうできないというケースが考えられないかということも含めて、そうした可能性を考えたのです。 ── 議長・副議長に民進党会派の議員が就任した場合、どうするつもりでしょうか。 議長、副議長の職責をまっとうするために使用することになると思います。