第93回選抜高校野球 思いは同じ「日本一」 東海大菅生マネジャー /東京
<センバツ高校野球> ◇やりがいは選手の「ありがとう」 第93回選抜高校野球大会に出場する東海大菅生には男女計7人のマネジャーがいる。選手を支え、選手と共に19日の開幕を心待ちにしている。 ピッチングマシンの操作や用具の手渡し。男子マネジャーの中政惟久哉(いくや)さん(2年)は選手に負けず、グラウンドを駆け回る。 全国から集まる選手の中で、中政さんは数少ない一般入試組で、捕手だった。昨年夏の西東京大会前、宮原上総(かずさ)コーチ(現部長)に転身を打診された。「ひたむきに頑張り、人の嫌がることも率先してやっていた」(宮原部長)のを見込まれた。 3週間悩んだが、「やる価値がある」と決意、選手への未練を断った。寮で生活を共にして「性格も分かった」とより深く選手を理解した。けがを機に転じた1年生の竹下歩希(あゆき)さんと共に支える。中政さんはセンバツのベンチで記録員を務める。「自分にとっても夢の舞台。ベンチで気づいたことを声かけしたい」 5人の女子マネジャーも一生懸命だ。授業が終わると、グラウンドに続く坂を速足で上り、練習開始前に用具を準備する。 新型コロナウイルス対策で、5人は活動日を分散し、選手より早く帰宅する。一方、増えた仕事も。以前は大きなジャーを一つ用意すればよかったドリンクは、約60人の選手1人ずつ小分けにした容器を用意しなければならなくなった。 マネジャーを選んだ動機はさまざまだ。石栗美結(みゆう)さん(2年)は「高校野球をしていた兄を見て野球に携わりたくて」。中島璃子(りこ)さん(同)は中学まで野球選手。高校でも続けるか迷ったが甲子園に憧れて選んだ。鴨下ひとみさん(同)はバレエの経験から「自分も裏方で人を支えたい」と考えた。 やりがいを感じる瞬間は、選手たちの「ありがとう」を聞いた時。1年の神谷咲瑤(さよ)、中山里美(りみ)さんを含む全員が同じ。そして、選手もマネジャーも甲子園でかなえたい夢は一つ、「日本一」だ。【林田奈々】 〔都内版〕