「ぼうしの詩人賞」原田君(山口大付属山口小1年)が最優秀賞 赤れんがで表彰式と朗読会【山口】
黒い山高帽姿で知られる山口市湯田温泉出身の詩人、中原中也(1907~37年)にちなんだ市内の小・中学生を対象とした詩のコンクール「ぼうしの詩人賞」の表彰式と朗読会が8日、中河原町のクリエイティブ・スペース赤れんがで開かれた。原田樹君(山口大付属山口小1年)が「ぼくのきいろいぼうし」で最優秀賞に選ばれた。 詩と中也に親しんでもらおうと、中原中也記念館(中原豊館長)主催で2016年に始まり、今回で9回目。詩の朗読を好んだ中也にならい、表彰式と朗読会を合わせて行っている。 今回は市内の小・中学校17校から65点の応募があった。詩人の桑原滝弥さん、同記念館の福田百合子名誉館長、中原館長ら5人が審査し、最優秀賞など入選作10点を選んだ。 最優秀賞の作品で原田君は、夏に買ってもらった黄色い帽子への喜びと愛着を素朴な言葉で伝えている。「ぼうし」の効果的な繰り返しや「レジでタグを切ってもらった」などの表現が光る。お気に入りの一節は詩の真ん中に置いた「これはぼくのぼうし」だという。 桑原さんは「本当に無駄の無い構成で、自然な詩で理想的だ。偶然かもしれないが音楽的に作られた印象で、それぞれの言葉がピタッとはまっている」とたたえた。 式では審査員から受賞者にそれぞれ賞状が手渡された。原田君には副賞の黒い山高帽も贈呈。選考委員の伊藤豊さんが「これが君の帽子だよ」とかぶせると会場から温かな笑いと拍手が起きていた。 中也は山口師範付属小(現山大付属山口小)の出身。原田君は詩に描かれた帽子は紛失したといい、代わりに黒い帽子姿で「先輩の中也さんのように詩を書き続けたい」と笑顔を見せた。 入選作は来年2月24日まで同館で展示する。 受賞者は次の通り。(敬称略) ▽最優秀賞=原田樹(山大付山口小1)▽優秀賞=藤原一華(同2)村上時希(湯田小1)白石菜々子(山大付山口中1)田中冴彩(湯田中2)▽館長賞=永田柑夏(山大付山口小3)縄田琉伊(同6)伊藤華(湯田中2)藤井愛莉(同)吉冨咲那(同)