総選挙で国民的アイドル「ゆきりん」が振り返るAKB48「ずっと青春が続いているグループ」
来年20周年のAKB48が大きな節目を迎えた。4月末、17年間在籍した“グループの顔”柏木由紀さん(32)が卒業し、揺籃(ようらん)期から国民的存在に駆け上った時代を知るメンバーがいなくなったのだ。そこで彼女たちのこれまでと今を書いてみたい。卒業コンサートについて柏木さんに話を聞いた。(編集委員・祐成秀樹)
在籍17年、卒業コンサートにOG15人
整った顔立ちに長い髪、愛らしい立ち居振る舞い。「ゆきりん」は正統派アイドルとして親しまれ、歴代メンバーとも気さくに接した。それだけに3月16日に横浜市のぴあアリーナMMで開かれた卒業コンサートには現役メンバー46人の出演に加え、OG15人も祝福に駆け付けた。
1曲目は「火山灰」。アイドルを目指して故郷・鹿児島を離れた心境を歌う曲だ。柏木さんは子供の頃からアイドルが大好き。特にモーニング娘。の石川梨華さん(39)に憧れた。「かわいいだけでなく、どんな時も一生懸命でニコニコしていて、見ていると元気になれる。私もそうなれたらいいなと思いました」
中学生になって目指したのはAKB48劇場。毎日ステージに立てるという環境に憧れて、2006年に第3期生オーディションに合格して上京。翌年にチームBの一員としてデビューした。ただ、客席と距離が近い定員250人の小空間でのパフォーマンスは気を抜けない。「自分を応援してくれている人が、違うメンバーを見ていることが分かるぐらい近い。私を見て好きになってほしいと必死にアピールしました」
今回は1万人以上が入る大会場だが、3、4階席にも常に視線を送っていたのが印象的。披露された計32曲の中で、いちばん印象に残った曲として「RIVER」を挙げた。09年に発表され、グループとして初めてオリコン週間チャートで1位を獲得した記念碑的な曲だ。この日は、先輩の高橋みなみさん(33)と声を合わせた。「あの頃、端っこにいた自分が、たかみなさんと先頭で歌えるとは。グッと来ました」