ドジャース・山本は捕手によって成績が左右される? デビュー戦で炎上もその後は安定
一方のスミスだが、お股ニキ氏は「日本人捕手では梅野隆太郎(阪神)や甲斐拓也(ソフトバンク)と似ている」とし、その特徴をこう解説する。 「スミスとのコンビでは、低めのボールゾーンへのスプリットのスイング率が高い傾向があります。問題点は、右打者へのカーブの投球割合が多すぎること。山本は日本時代から右打者のほうが打たれがちなので、注意が必要です」 ほかにも、ふたりの捕手には次のような違いがある。 「正捕手のスミスは失敗が許されないので、その日に一度打たれた球や、調子が悪くて使えないと判断した球種をその後の選択肢から消しがち。 逆に控え捕手のバーンズは少し自分の色を加えてチャレンジしたい意識もあるからか、何度も投げさせることで使える球種に仕上げていく。ほかの球種への効果も考えて選択肢からは消しません」 それぞれに良さと課題があるため、臨機応変な対応が必要になるのは間違いない。お股ニキ氏はその上で、どちらとコンビを組むにせよ、山本の配球面で改善してほしい点があると提言する。 「右打者へのカーブを減らし、代わりにスラッターを増やす。また、今永のように高めのストレートを増やせば、スプリットの効果もさらに増します。配球次第で投球や球質、結果が大きく変わるのが野球の醍醐味。投球の難しさ、奥深さを感じることができる事例といえます」 *成績は現地5月27日時点 文/オグマナオト 写真/時事通信社