50年でたった1人 大谷「三冠王」も現実味? カギ握る重要条件は「すでにクリア」
6月絶好調だった大谷翔平選手(29)。期待がかかる「三冠王」の現実味について、元メジャーリーガー・五十嵐亮太さんに話を聞きました。 【画像】「大谷選手の三冠王の可能性はかなり高い」と見る元メジャーリーガー・五十嵐亮太さんの見解は?
■今年もホームラン王の可能性ある?
まずはホームラン数を見ていきます。6月のホームラン数は12本となりました。惜しくもMVPを獲った2021年と去年には届きませんでしたが、6月の活躍はどうご覧になりましたか? 五十嵐さん 「素晴らしいですね。5月に太ももを負傷した影響もあって6月序盤はあまりのってこられなかったが、太ももの状態が良くなって中盤から一気に波にのっていきました」 シーズン全体で見ていきます。こちらも同じようにMVPを獲った2021年とホームラン王を獲った去年と同じようなペースできています。今年のホームラン王への期待はどうですか? 五十嵐さん 「このペースだと50本超えてくるので(ホームラン王の)可能性は高いです。さらに上にいく可能性は高いと思います。DH(指名打者)でMVPを獲った選手は過去にいないのですが、その可能性も高くなってきたんじゃないかなと思います」
■三冠王 ポイントは「チームの強さ」
いろんな期待が膨らむなか、今回見ていくのが「三冠王」です。現在、大谷選手はナ・リーグで打率と本塁打がトップ、そして打点も3位につけていると。三冠王が現実味を帯びてきています。 実は三冠王、メジャーリーグではここ50年で1人ですから、半世紀に1人しか三冠王が出ていません。それだけ三冠王は難しいのでしょうか? 五十嵐さん 「難しいですね。特に最近の野球は、ピッチャーも野手も役割分担が結構しっかりしています。バッターでいったら、出塁をチームに求められている選手だったら、そこを意識します。ホームランと打点を求められている選手だったら、そっちを狙う。なので大谷選手はホームランと打点がいいじゃないですか。ブレーブスのオズナ選手もそうなんですが、ホームランと打点は良いですが打率にはのってこないです。大きくスイングする選手や強くスイングする選手は打率が残りにくいです。でも大谷選手は(打率も)残っているからすごいよね、ということです」 どんなことが必要になってくるのでしょうか? 五十嵐さん 「この後はボールの見極めとかが大事です。今のままで大事なのと、チームの状況がとても重要になってきます。この50年間で唯一、カブレラ選手が三冠王を獲ったんですが、この年(2012年)はカブレラ選手のいるチームが優勝しました。なので、大谷選手も同じで、チームの状態によって、大谷選手と勝負するのかそうじゃないのかというところが、大谷選手の三冠王に大きく関わってくると思います」 ポイントは「チームの強さ」が必要ということですね。 三冠王は、大谷選手が打つか打たないかだと思いますが、チームの強さが関係してくるのでしょうか? 五十嵐さん 「そうなりますね。大谷選手の打点に関わるところでいうと、前にランナーがどれくらいいるかということです。ホームランは自分の状態が大事ですが、うしろにいるバッターが弱いバッターだと大谷選手とあえて勝負する必要がない、だったら次のバッターで勝負していいよね、となるとホームランの確率も下がってくるし、打点の確率も下がってきます。強いチームであればあるほど、三冠王の可能性は高くなってくるということになります」 チームの強さでいうと、ドジャースは現在、ナ・リーグ首位を走っています。ずばり、三冠王の可能性はいかがでしょうか? 五十嵐さん 「かなり高いと思います。今の状態を保つということと、前とうしろのバッターが重要です。ドジャースは好調なので、このままいってくれるんじゃないかなと思います」 (スーパーJチャンネル「newsのハテナ」2024年7月1日放送)
テレビ朝日