『おむすび』“強烈”英語教師役にサフィヤ抜擢の理由 栄養専門学校編の裏話をCPが明かす
NHK連続テレビ小説『おむすび』が現在放送中。平成元年生まれの主人公・米田結(橋本環奈)が、どんなときでも自分らしさを大切にする“ギャル魂”を胸に、栄養士として人の心と未来を結んでいく“平成青春グラフィティ”。 【写真】同じく教師役として登場の相武紗季 第8週では、結が糸島を離れて神戸へ。栄養士を目指して専門学校に通い始め、ドラマは第2章に突入した。 制作統括の宇佐川隆史は、栄養専門学校を描くにあたり、「まずは栄養士さんに対するリスペクトを大切に。その上で、“人は何歳でもチャレンジできる”という、夢を追う人々を真正面から描きたかった」と語る。 「食のスペシャリストになるためには、勉強をはじめとした様々な大変さがあることを(視聴者に)知ってもらわなければ、この職業を描く物語は進められないだろうと思いました。そして、同級生それぞれに、栄養士になってやりたいことがある設定にすることで、みんなが夢を叶えようと努力し、反発もしながら高め合っていく。王道かもしれませんが、その中に栄養士ならではのお話や、この時代らしいエピソードを入れています」 ドラマ制作に向けて、数十人単位の栄養士・管理栄養士に取材を重ね、専門学校や大学に通う現役学生にもアンケートを実施。さらには平成19年当時に学生だった人も含め、“栄養士あるある”を募集した。 「栄養士の方々に取材をしたら、ほとんどの方が『こんなに勉強するとは思わなかった』とおっしゃっていて。私としても、本当に想像をはるかに超える勉強量だったんですよね。ここまでしなければ、人に食の安全性や健康については伝えられないんだなと。マニアックな知識や細かい知識というよりは、まずは栄養士さんがどれだけの勉強をした上で、私たちを支えてくれているのかをわかってほしいなと思いました」 第38話、登校初日に自己紹介を終えると、すぐに基礎化学の授業がスタート。その後、結は慌ただしくネイルとメイクを落とし、包丁研ぎに臨むことになる。 「例えば献立決めに関しては、実際のシラバス(授業計画)ではまだ後なので、『試しにやってみようと考える先生だった』という展開にして順序を入れ替えていますが、授業内容は実際に行われているものです。視聴者のみなさんが、いろいろな授業を体験している感覚になれるようなかたちで、物語の中に組み込んでいます」 各教科の講師は個性豊かな俳優陣が演じており、第39話には『大西泰斗の英会話☆定番レシピ』(NHK Eテレ)、『えいごであそぼ Meets the World』(NHK Eテレ)に出演中のサフィヤが英語教師役で登場。授業に集中していない結に「ちゃんとやれや、ボケ、カス」と、強烈な言葉を浴びせて視聴者を驚かせた。 宇佐川は「第8週の演出をした盆子原(誠)を中心にオーディションを行い、選ばせてもらいました。栄養士さんは食のアドバイスをする際にコミュニケーション能力が大切なことだと取材で知り、英語の授業もあることで理解してもらおうと。先生は千差万別ですが、難しい勉強ながらも、はたから見るとコミカルに見えるような授業になればいいなと、脚本の根本(ノンジ)さんが考えてくださいました」と裏話を明かす。 サフィヤはもともとアメリカで女優として活動しており、宇佐川は「笑いのセンスもわかる海外籍の俳優さんを見つけるという難しいオーディションでしたが、サフィヤさんは日本語が堪能で、お芝居がしっかりしていることもあって。“明るく前向きながらも、言っていることはビシバシ厳しい”というギャップが非常に映える方だろうなと思いました」と印象を述べる。 「『ボケ、カス』というセリフ自体は台本に書かれていますが、厳しめに言うのか、明るめに言うのか、というところまでは指示されていませんので、あのユニークな表現は演出の盆子原とサフィヤさんの話し合いによって生まれたものです。“厳しいながらも面白い”という狙いが反映できているのではないかと思っています」 橋本をはじめ、山本舞香、小手伸也、平祐奈ら生徒役のキャストたちも「『こんなに明るい感じで言われるんだ』と笑っていました」とし、「人が口に入れる食というものを扱うため、授業はどれも難しいのですが、みなさん興味津々で。英語に限らず、各授業内容は本当に目から鱗の連続なので、楽しく取り組んで撮影できたと思います」と授業パートの撮影を振り返った。 魅力的な登場人物と授業が目白押しの神戸栄養専門学校。ここから、さらにどんな出会いがあるのか期待したい。
nakamura omame