客の“タメ口”に悩む店員「高圧的で見下している」使い方次第では出世ツールに?心理学研究者「態度で敬意を示せるか」
■タメ口を使いこなして出世「周りが堅い時ほど使っている」
会社員の黄門様は、「タメ口」がむしろ昇進に直結した。「周りが敬語で堅ければ堅いほど、タメ口が効果を発揮して、人の懐に切り込める」との持論を語る一方で、「今は30代だから許されている。50歳までタメ口を使うのは品がない」とも話す。 大事なのは「相手に興味を持つあまり、思わずタメ口になった」という流れだ。「文字数が多いから敬語はタイパが悪い」として、服装や髪型も軽くして相乗効果を狙う。タメ口で怒られることを恐れず、「相手の怒りは自分への興味の裏返し」と感じるようにして、勝負の時こそタメ口を駆使する。 年功序列の企業に勤める経験から、「周りが堅い時ほど、タメ口を使う。チャラめの見た目で、停滞している時にズバッと切り込む。それでツボに入って、人脈を築き、成果を上げて、昇進した」と説明する。 タメ口を使う相手は選ぶ。「怒られたら怒られたでチャンス。自分に興味がある証拠だから、違うアプローチを探ればいい。最初から敬語だと壁ができて、そこから先に進まない」。しかし、使える年齢には限度があるという。「50、60代になってのタメ口は、上から目線になってよくない。自分はタメ口一本やりで昇進してきたから、20年後は心配だ」。
■うまく使えば人間関係もアップ!?専門家「相手を敬う態度があればタメ口も失礼じゃない」
藤田氏によると、タメ口の境界線は、時代とともに移り変わっていて難しい。上司と部下の間柄でも、ハラスメントの観点では「上司も部下でもちゃんと敬語を使いましょう」と説くが、風通しの良い会社という観点では「タメ口で話せる人間関係を作りましょう」となる。対等な立場でも敬語という時代に“息苦しさ”を感じる声もあり、なかなかメリットが認識されていないのが現状だ。 「パワハラ研修で『丁寧に話しましょう』と教えた会社から、揺り戻しで『コミュニケーションを円滑にする方法はないか』と相談される」と、現場の混乱も紹介する。両者のグラデーションにより、心の距離を縮める上で、黄門様のアプローチは「ある意味当たっている」と指摘する。「言葉以外のところでは、敬意を示しているはずだ。相手を敬っている態度があれば、タメ口でも失礼ではない」と使い方次第で武器になるとした。 (『ABEMA Prime』より)